南米's diary

2016年9月〜2017年3月頭まで南米を旅する無職な二人の愉快な日記。

ボリビアの日本食堂・けんちゃんの感想まとめ

Hola! ボリビア・ラパス滞在中に、日本食堂・けんちゃんに二度ほど足を運んだので、今回は二度目のことも含めた感想を書きたいと思います。

ヒレカツと寿司とラーメンを食す

一度目はこちらの記事にも書いたのですが(まりあたんの容態はよくなるのか?! 新たな医師の登場(中) - 南米's diary)、一人でカツ丼を食べました。つゆだくだくで少しだけ焼きが足りない、けれどそこそこおいしいといった感じです。値段はカツ丼が50ボリビアーノ後半で、露店なら5ボリビアーノくらいで買えるペットボトルの水が10ボリビアーノ以上します。久しぶりの日本食にはそこそこ満足しました。星3つと半分といったところでしょうか。

二度目の訪問は元気なまりあたんとともに。一度目はテーブル席でしたが、今回はお座敷に座ってみました。席は自由に選べます。

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店員からメニューを手渡され(「メニューをください」と言わないとくれないです)、ページをペラペラとめくるまりあたん。メニューの豊富さに感動しています。そうです。メニューはすごく豊富です。ラーメン、チャーハンなどの中華から、握り寿司や巻物などの和食、カツ丼やヒレカツ丼などの丼モノ、カツなどの定食まで、バラエティ豊かです。

今回は、まりあたんはヒレカツ定食、私は握り寿司(ネギトロみたいなものと、サーモンみたいなもの〈多分、チチカカ湖でとれた魚〉)とミニみそラーメンを頼みました。

みそが足りないぜ!

さて、食事がやってくるまでの間、暇です。向かいの席に座っている小さな子供とにらめっこをやったり、まりあたんのジャマ自慢を聞いたりして時間をつぶします。待つこと約30分。最初に私のミニみそラーメンが運ばれてきました。

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あれ? 少し色が薄い? とりあえず、一口汁を飲んでみます。うーん、想像していたみそラーメンの味とはかなりかけ離れていました。白みそを使っているような、とんこつのような味です。ガツーンとしたみそ味が欲しかった私は少し落ち込みましたが、ラーメン自体の味はそこそこおいしかったのでよかったです。

ネギトロ激うま

次に運ばれてきたのはまたまた私のお寿司です。ネギトロ巻きには具がたくさん乗っています。日本で見るネギトロの色とはかけ離れていますが。見た目は漬けマグロのような感じですね。

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これもまた一口食べてみると……あれ? おいしい! これはおいしいです。見た目に反して、激ウマです。びっくりです。味はネギトロの味に近いです。おいしすぎてあと10巻くらいは食べられそうです。

アボカドが乗ってるサーモンもどきは、そこそこですね。似非ネギトロのほうがおいしいです。まりあたんも「おいしい!」と言っていたので、この似非ネギトロのおいしさに間違いはありません。

最後にまりあたんのヒレカツ定食が運ばれてきました。小鉢も多くついてきていて、いい感じですね。おみそ汁は、まりあたんいわく「土みたい……」とのこと。私はそこまで土の感じはしませんでしたが、確かに貝が大量に入っていたような汁という感じはしました。

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ヒレカツも激うま

肝心のヒレカツはというと、まりあたんに一口もらうと……似非ネギトロに続きこれまた激うまです。びっくりです。衣がサクサクて肉厚でおいしいです! 日本で食べるヒレカツとそこまで大差がありません。イチオシです。

選ぶメニューによって、あたりはずれはあるものの、おそらくそこまで大幅なはずれはなく、どれも最低限のクオリティはクリアしていると感じました。といっても、二度しかこのお店に足を運んでいませんが……。メニューが豊富ということは飽きがこないということ。次はこれを食べようかな、とリピーターの獲得にもつながります。やるな、けんちゃん。

ラパスでは強気の価格で、どのくらい利益がでているのかなと思いました。海外で日本食堂をやることは、おそらく最初はとても大変だと思いますが、そこには商売の可能性が秘められているのだなと。レッドオーシャンではなく、他者が参入しにくいブルーオーシャンで独占的に地位を築く。いいなぁ。私も海外で日本食堂やろうかな。

なんだかんだで去年を振り返ってみる&これからのこと

2016年9月1日。私たちは成田空港を飛び立った。最初に降り立った地は、オーストラリアだ。シドニーで約2週間を過ごし、その後、チリへと移動する。チリでは約2カ月生活した。まりぽよがおいしいご飯を毎日作ってくれて、ネットフリックスを観て、外に歩きに出かけて、地元の少年少女たちとたわむれて……そんな毎日だった。

サンティアゴでは、私が在籍している大学と同じ系列である大学院に在籍している方に会いに行き、「今しかできないこと(旅)をしたほうがいいよ〜」と言われ、まりぽよにも「なんか飽きたね。旅したい!」と言われ、当初は6カ月住むつもりだったチリから脱出することにした。

チリを北上していき、途中、アントファガスタではツイッターでつながった日本人の方と会い、現地を案内してもらった。街の歴史をいろいろと聞かせてもらい、また絶景の地へと車で連れて行ってもらい、とても楽しく充実した1日を過ごせた。その節は、ありがとうございました。

いよいよチリを脱出するときは、四駆でぐいぐいぐい、と(こちらを参照)。それからいろいろなところに行って(省略)、今はペルー・アレキパに滞在中。

日本に帰国するまでにすでに2カ月を切った。今までの人生で最長の約4カ月を去年は海外で過ごしたことになる。いや〜、実にあっという間だった。本当にあっという間だ。これからの2カ月もあっという間に過ぎていくのだろう。途中、日本に帰りたくなさすぎて憂鬱になって、実際に日本に一時帰国したときは、熱が出て体調が悪くなり泣いた。

一時帰国した理由は、祖母の死だった。Airbnbで借りたチリのマンションの一室のソファで優雅にくつろいでいる時に、突然、母親から電話がかかってきて、訃報を聞いた。私は母親の前では泣かないと、物心がついたときから決めているのだが(たまに泣いたけど)、あふれでてくる涙を止めることができなかった。

優しい祖母だった。海外に行く前に会ったあの時が最後になるとは思ってもいなかった(体調が悪いそぶりはなかったから)。まあ、特に何かをしておけばよかったなどという後悔はないのだけれど、まさか私が海外にいるときに逝ってしまうとは……と。急いで、往復の航空券を取って日本に帰国。親戚に久しぶりに会えて、祖母の最後の顔も見ることができたからよかった。

その他にも、去年は「死」がいつも以上に身近な出来事として発生して、自分が今、生きていることを強く実感させられた。「死」を強く思うときがあるにもかかわらず、それが私のところへやってこない不平等さに感謝しつつ、私は生きねば、と思う。

ちなみに去年の前半はねー、自分の人としての未熟さを今さらながら反省する。今も十分未熟だけど、去年の前半はさらに未熟だった。未熟、未熟、未熟〜。自分のことをなんでもできる人間だと思いつつ、なんにもできないダメ人間だなとも思っている。今年の目標は「謙虚にコツコツと」。やりたいようなことが見つかったんだ。「ような」とぼかしているのは、まだ確信がもてないから。でも、あれほど嫌だった日本への帰国も今はちょっぴり楽しみ。やりたいようなことができるから。私は日本は好きではないけど、日本でしかできないこともあるのだと実感。映画とか観たい。本とか読みたい(Kindle化されていない)。NHKの良質な番組とか観たい。

日本に帰国するまでは旅を楽しむよ〜! これからは、パラグアイウルグアイ、アルゼンチンにも行くからね!

あっ、前にポルトガルにワーホリ行きたい! ってツイートしたけど、約200万の貯金がないといけないんだって! 200万? 200万? 200万?! そんなお金あるわけないでしょ! お金はあったら使うんだよ! ふっ。この旅プラス帰国後のやりたいことに費やす、で貯金なんてゼロになるよ! ポルトガルのばーか!!!!!

ペルー・クスコで史上最高においしいAlmuerzo(昼食)を食す

Hola! 私たちは今、ペルー・クスコに滞在しています。ボリビア・ラパスから20時間近くかけてバスで移動しました。途中でチチカカ湖を船で渡り、ボリビアとペルーとの国境は歩いて渡りました。

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小さなお店だけれど味はピカイチ

クスコに滞在して3日目に、私たちは今まで生きてきた中で一番おいしい昼食を食べました。宿から徒歩5分の場所にあるお店です。(以下参照。宿の住所:Arequipa A - 1, クスコ, ペルー)

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他のお店に比べると小さいのですが、味はピカイチです。ボリビアやペルーではAlmuerzo(アルムエルソ。意味は、昼食)といい、まずスープが出てきて次にメインの料理が出てきて、最後にデザートや飲み物などが出てくる形式が一般的となっています。スープにはお米やパスタ、野菜などいろいろな物が入っています。具材や味はお店によって味の違いがありますが、たいていのお店ではおいしいので安心して食すことができます。ここのお店でも最初にスープが出てきます。

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ふにゃふにゃになったパスタがとてもおいしい! 今まで食べたアルムエルソの中で一番おいしいです。おなかが痛い私でもばくばくと食べることができます。二人で夢中になりながらスープをほおばっていると、隣にいるお客さんのところにSegundo(セグンド。意味は、二番目)の料理が運ばれてきました。

このお店ではセグンドは三つの中から選べるのですが、一つは売り切れで、もう二つは意味がよくわかりませんでした。おじさんが頼んだものはその片方だったようです。

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カレー風のセグンドを食す

それはなんと、カレー風の食べ物でした。今まで入ってきたお店の中でカレーが出てくるお店は見たことがありません。さらに奥に座っていたお客さんは、milanesa de pollを頼んだようで(聞こえた)、それはどこかで見たことのあるような食べ物でした。私たちは俄然、「カレーみたいなのが食べたい!」となり、おじさんに「poll ala olla!」と頼み、わくわくしながら料理が運ばれてくるのを待ちました。

数分後(すべてのメニューは作り置きされているので、出てくるのが早い)、私たちのところにカレー風の料理が運ばれてきました!

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一口食べてみると……おしいい!!!!! カレーだ!!!!!! 本当においしすぎてびっくりです。次に、一緒に入っているチキンを食べてみると、激うま!!!!!!!! こんなにおいしいチキンは食べたことがありません。本当です。おいしすぎてびっくりです。他にもニンジンやポテトなどが入っていたのですが、それらももちろんおいしかったです。何から何までおいしすぎます。

無限に食べられるおいしいさ

おいしさに感動したまりあたんは「これなら、お米、無限に食べられるよ」と言い、完食していました(いつもは多すぎて残している。ちなみに、アルムエルソはどこもスープですでにおなかいっぱいになる量です)。

最後に紫トウモロコシの暖かい飲み物がきて、それもまりあたんはおいしくいただいてきました。私にとっては味が微妙だったので、あまり飲みませんでした。

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飲み物はさておき、このお店のアルムエルソのpoll ala ollaは最高においしいです。ペルー・クスコに行った際にはぜひこのお店に! ちなみに後日わかったのですが、お店ごとに毎日メニューは変わるらしく、いつも同じものがあるとは限らないらしいです。お店に入るときはメニューのご確認を!

新鮮な飲み物を求めて

飲み物がほとんど飲めなかったので、フレッシュなジュースが飲みたいと思った私は、注文したらフレッシュジュースを作ってくれる近くのお店へと行きました。昨日、オレンジジュースをここで飲んだのですがとてもおいしかったのです。お店の人に「アップルジュースはありますか?」と聞くと、なんと「アップルはない」とのことで……。どうしてもアップルがよかった私はお店を後にし、近くのメルカド(市場)に行くことにしました。

そこでフレッシュジュースを作ってくれるコーナーを発見。私たちを見るやいなや、隣同士に店を構えている二人のおばさんが同時に「こっちで!」「いやいや、私のところで!」とものすごい勢いで客引きしてきます(笑)。私は左のおばさんでアップルジュースを買い、まりあたんは右のおばさんでパイナップルジュースを買うことにしました。

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右のおばさんのほうが手際よくパイナップルをむき、次々とミキサーにかけていきます。途中で「砂糖は入れる?」とまりあたんに聞いてきました。砂糖なんてもってのほかです。甘すぎます。まりあたんは「入れない!」ときっぱり断り、無事においしいパイナップルジュースを手にすることができました。その場で飲むと3ソル。持ち帰りだと容器代でプラス0.5ソルです。持ち帰りの容器に入りきらなかったジュースはグラスに入れてくれるので、その場で飲むことができます。

「砂糖は入れる?」

まりあたんがおいしそうにパイナップルジュースを飲んでいるのを横目に、目の前のおばさんのジュース作り作業を眺めます。

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こちらのおばさんも隣のおばさんと同じく、「砂糖は入れる?」と聞いて……くると思ったのです。私は思ったのです。「砂糖は入れる?」と聞いてきてくれると。

おばさんが砂糖を手にした瞬間にはもう遅すぎました。おばさんは一言も発することなく、また私もあっけにとられ一言も発することなく、大量の砂糖がミキサーの中に投入されました。少量ではありません。小さじ一杯などという甘いものではありません。大量です。大さじ一杯くらいの大量さです。

その瞬間、私の目の前は真っ暗になりました。ブラックアウトです。あああああああああああああああああああああああ。砂糖がああああああああああああああああああああああああああ。

脳の機能停止。つーつーつーーーーーーーーー。

いつの間にか目の前にグラスの中に入ったアップルジュースが置かれていて、本能的に手でそれを取り、口に運んで飲んでみると……あっま!!!!!!!!!!!!! 甘い!!!!!!!!! 甘すぎる!!!!!!!

あまりの甘さにびっくりして、停止した脳の機能が再び動き出しました。

笑顔でこっちを見つめているおばさん。本当は「甘すぎる顔」をしたかったのですが、脳が私にそれを止めさせます。いかにも「おいしい!」といった笑顔でグラスの中のアップルジュースを飲み干します。涙が出てきました。甘すぎて。涙が出ながらの笑顔をおばさんに向け、「ありがとう!」と言いすぐに背を向け、颯爽とおばさんから離れて行きました。

チリ人だけでなく、ペルー人も甘いもの好きなのか?! たまにいる、歯がまったくないおじちゃんや、ガタガタな歯のおじちゃん。きっと、こんなに甘いものを飲んで歯磨きをしなかったのだろうな! 海外では毎日の歯磨き必須です。歯を大切に。

アタカマ発。四駆でウユニ塩湖まで激走ツアー3日目

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Hola! さて3日目の朝になりました。2泊3日の旅もいよいよ最終日です。

初・ウユニ塩湖

朝4時半に集合なのに私たちとドビー以外は少し遅れ気味。まったく時間にルーズなやつらだぜ! のろのろとやってくる仲間たちの荷物を四駆に積み上げ、5時前に宿を出発しました。車に揺られること数十分……。辺りが白い?! わー! ようやくウユニ塩湖だ! 初めまして、ウユニ塩湖さん。Me llamo Megumi. Soy Japon. とあいさつをし、ウユニ塩湖の地に大きな一歩を踏み出します。(下記写真は日が昇ったあとです)

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今の時期は日本人が大好きな鏡張りができる雨季ではなく、乾季なので地面は硬い塩となっています。雪のように真っ白なウユニ塩湖もよきですね。っと、こんなところで時間をくってはいけません。私たちは日の出を見るために朝早くからやってきたのです。

近くに大きな岩場があり、そこのてっぺんから日の出を見るのが通例らしいです。入り口でエントランス料を払い、岩場のてっぺんを目指してずんずん歩きます。はぁ、はぁ、はぁ……。空気が薄いので息切れが激しいです。

まるで、ランニングでもしたあとのように息が切れます。ちょっと休憩。でも、早く行かなければ。日が昇ってしまいます。息を整えスピードを上げ、さらにずんずんずんずんずんずんのぼっていきます。ゆっくりのぼっているまりあたんは置いていきます。

ここは戦場なのです。情けのかけあいなど必要ありません。信じられるのは己のみ。己の足のみです。一心不乱にてっぺんを目指して歩みを進めていくと、ついに!!!! きました!!! てっぺんです! あぁ、日が……朝日が目の前に。

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朝日をこの目でしかと見た達成感で、私はもうふにゃふにゃの抜け殻になりました。ふにゃふにゃ〜。ふにゃふにゃしていると、犬とたわむれているまりあたんに気がつきました。あら、こんなところにまで犬が!! もうどこにでもいるのですね。犬も朝日を見て感動したようで凛々しい顔をしていました。日がだいぶ昇ったところで来た道を戻り、朝食を食べにいきます。

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最後の朝食

片道15分くらいの道のりです。すいすいす〜いと降り、ドビーに「朝食は? 朝食は?(ぐぅ〜)」と聞くと、これから準備するそうです。ドビーが朝食を準備している間、ウユニ塩湖をふらふらと歩いてみました。どこまで歩いても真っ白で、下は塩の模様ができていてきれいです。寝っ転がることも、ドラえもんを下に置くこともできます。鏡張りだと勇気がないとできない(塩まみれになるから)、乾季の特権ですね。

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歩いて時間をつぶして、ついに朝食の準備が整いました。誰よりも先に私たちは食べ物(シリアルとおいしいパン)に飛びつきました。今回の食事もまたとてもおいしく、大満足です。寒さに震えながらの食事でしたが、この寒さともきっと今日でおさらばです。そうとわかれば、少し名残惜しいような気持ちになりますね。

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ウユニ塩湖のどこかで写真ざんまい

さて、朝食を食べ、ウユニ塩湖を車で突き抜けます。この塩湖は一体どこまで続いているのだろうと思うほど、進めど進めど同じ景色。数十分行ったところで車を止め、「ここで思う存分、写真を撮っていいよ!」とドビー。外国人4人組は仲良く写真を撮る。まりあたんは寒くて乗り気でない。私は一人で写真を撮る(たまにドビーが「撮ってあげるよ!」と優しく声をかけてくれました)。

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最初こそ、テンションが上がりパシャパシャ撮っていた写真ですが、30分くらいすると、もういいかなと思い始めるのです。写真を撮ることをやめ、太陽の光、まぶしいぜ! と思いながら、塩湖に寝っ転がってみたり、ドラえもんに話しかけてみたり、塩をせっせと集めてみたりしたのですが、それでも4人組は写真を撮ることをやめません。

彼らは一体いつまで写真を撮り続けているのだろう? 永遠に? と思うほど、ずーーーーーーっと撮り続けています。撮っているのはトリック写真です。たまにドビーに手伝ってもらいながら、本当に延々と撮り続けています。途中でドビーも「もう飽きちまったぜ!」とでも言いたげな表情で地面に座り込みました。

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おそらく1時間以上はたったでしょう。ようやく4人組は写真を撮ることをやめ、次の場所へと移動することができました。調子よくウユニ塩湖を進んでいると、ドビーが車を突然止めました。なんだ? またパンクか? と思いきや、タイヤの不具合だったようです。ここで少し足止めをくらいます。

外に降りて手持ち無沙汰にしていると、お姉さん的存在の仲間が「トリック写真を撮ろうか?」と声をかけてきました。や、優しい……。りんごの上に乗っているトリック写真と、私がまりあたんを踏んづけようとしているトリック写真です。

お姉さんにカメラを渡したときにピントの設定を無限にしたので(軽押ししてピントを合わせるんだよ、ととっさに英語で言うことができず、苦肉の策としてワンタッチでシャッターを切れる設定にしたのです)、りんごがぼやけてしまい、なんとも微妙な写真になってしまいました。踏んづけようとしている写真のほうはよく撮れていました。お姉さんありがとう!

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さようなら、ドラえもん

タイヤの不具合も直り、次の場所へと向かいます。ここには建物と国旗とオブジェがありました。建物の中では、少しのお菓子とお土産が売っており、トイレも併設されていました。外には数多くの国旗が置いてあったのですが、日本の国旗を見つけることはできませんでした。日本の国旗がないのは少し悔しかったので代わりにドラえもんを置きました。

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ちゃんと中の人に置いていいか聞いて、承諾を得たので大丈夫です。ここでドラえもんとはお別れです。チリ・サンティアゴにいたときにある人から誕生日プレゼントとして送られてきたドラえもんですが、個人的な事情があり、ここに置いてさようならをすることにしました。このブログを見てウユニ塩湖に行く人は、ぜひ日本の国旗を持って行き、ドラえもんの上に設置してください。それだけが私の最後の願いです、うぅ……。

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元気のない4人組

ドラえもんに泣く泣く別れをつげたところで、次に向かった場所は、ウユニ塩湖を抜けた先にある小さな休憩地点のような場所です。ここにはお土産もたくさん売っていました。もしかしたら、2泊3日のウユニツアーの人たちのためにつくられた場所かもしれません。お土産を少しだけ見て、私は塩を買い、お昼を食べる場所へと向かいました。

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何かのお肉(フラミンゴの肉?)と野菜が出てきて、ここでも私たち二人はばくばく食べたのですが、ふと4人組を見てみると皆、覇気がありません。食事も残しています。ふふふ。昨日、一昨日と騒ぎすぎて体調が悪くなったのだな! しめしめ。彼らとは対照的に元気な私たちです。

この2泊3日のツアーを終え、ウユニの町に滞在して数日たったときに、ハチミツビールを飲んだのですが、半分飲んだあたりで気持ち悪くなり、次の日も気持ち悪さが治りませんでした。このときに思ったのですが、彼らははしゃぎすぎて体調が悪くなったのではなく、ビールの飲みすぎて体調が悪くなったのだと。

高山病にはかからなかったものの、やはり標高は3000メートル越え。ビールなどのアルコールを摂取すると、体調に支障を来すようです。お酒の強さによっぽど自信がある人か、体調が悪くなってもお酒を飲みたいんだ! という人以外は、アルコールは控えたほうが吉だと思いました。

負の遺産(?)を見て、ツアー終了

昼食を食べたあとは、線路の周辺に捨てられてそのままにされた列車たちを見に行きました。結構な量の列車に驚きました。

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路線では結婚式(?)の写真を撮っていて、こんなところで撮るなんておしゃれですね!

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時代の産物の列車たちを見終えたあとは、ウユニの町に行き、2泊3日のツアーがすべて終了しました。2泊3日は、長かったようで、短かった気がします。このツアーでなければ見ることが難しいたくさんの観光スポットを巡れたので、参加してとてもよかったです。

そこまで過酷なツアーでもないので、チリ・サンペドロ・デ・アタカマからボリビア・ウユニに移動する際は、このツアーを選択肢の一つとして考えるのもいいのかな、と。私たちは標高2000メートル越えのアタカマに9日間滞在したので、高所に慣れ、高山病にならなかったのかもしれません。高山病が怖い人はアタカマに数日滞在してから移動するといいかもしれません。

アタカマ発。四駆でウユニ塩湖まで激走ツアー2日目

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Hola! 服たちのおかげで、まるで母の胎内にいるような暖かさに包まれ起床した2日目です。

時が止まった空間

朝7時に食事(パンにおいしいジャムたち)をし、7時半に寒さにぶるぶる震えながら出発しました。最初に向かった場所は、ゴツゴツした岩がたくさんある砂漠です。昨日のダリの場所よりも岩がたくさんあります。

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こんな砂漠になぜ岩が……と二人して不思議に思いましたが、謎は謎のまま……。この場所は周りが本当に砂(砂漠)と岩しかなく、なんだか時が止まっている感じを受けました。時の進捗を表すものが何もないのです。太陽によって朝か夜かはわかりますが、今は何時なのか、ここに到着して何分経ったのか、何もわかりません。すごい場所に来たなと思いました。

南米に来て、時間という概念が日本にいた時よりも柔らかいものになりましたが、ここにずっといたらどうなるのだろう、と。目に見える変化は何もない環境の中で暮らしたらどうなるのでしょうか。少しここで暮らしてみたくなりました。時間からのさらなる解放を試みたくなるような、そんな場所でした。f:id:en_chile:20161218110519j:plain

次に向かった場所も砂漠(砂)です。今度は周りに石すらありません。何もない場所なので少しの滞在で皆、車に乗り込みます。なぜここに止まったのかは忘れてしまいました。観光地だったのか、あるいは他の何か深い事情があったのか……。

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ボリビアのうさぎ

次の場所は……おや? 車の外にうさぎが!

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ぴょんぴょんぴょん。観光地ではないもののドビーが車を止めてくれて、うさぎとたわむれる時間をつくってくれました。色が黄色茶色っぽく日本の白いうさぎとは外見が異なります。最初は1匹だけだったのですが、どんどん仲間が増えてきました。近くに寄っても逃げず、人間慣れしているようです。ドビーが気をきかせて、ニンジンを小さく切って岩場に置きます。ナイスドビー。

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うさぎはそれをかわいく食べます。カリカリカリ。カリカリカリ。かわいい……。しばらくここで、うさぎの写真大会が開催されました。うさぎのかわいさは世界共通。皆、カメラを片手にパシャパシャと数億枚の写真を撮っていました。

うさぎのかわいさに飽きたところで、次に向かった場所は、ここです(名前はわかりません!)。

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湖の色がとてもきれいで、汚れきった心がまるで洗われるようです。日本の裏側って本当にすごいなと思いました。人間の手が及ばない自然はこんなにも美しく、それでいて己の力のみで美しさを保ち、今まで存在してきたのだなと。「あぁ、すごい……(感服)」という感想しか出てきません。次の場所も似たような感じでした。この地域は似たような景色が多い場所なんだな(ちょっと飽きた)。と思ったのですが、ここにはフラミンゴがたくさんいました。1日目よりも至近距離で見るフラミンゴたち。足、細っ! って感じでした。

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自然に生きる動物たち

さて、次に向かった場所も黄緑色っぽい植物があることを除けば、ほぼ似たような場所です。しかし、ここには他では見られない動物たちがいました。キツネとネズミです。キツネは遠目に見えて、ネズミはすぐ近くにいました。とても小さくてとてもかわいいです。

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拡大すると……。

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日本にいたら、「ギャーーーーー! ネズミ!!!!」という感じですが、ここにいるネズミは本当にかわいらしい小ささで、ずっと眺めていたくなるほどです。まりあたんがあげた食べ物をパクパクとおいしそうにほおばっていたようです(私は残念ながら見ていなかったのですが)。動物とたわむれたところでお昼休憩です。今日のお昼(ツナコーン、ピラフ、野菜)もおいしい! 決してお世辞ではないですよ。

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毎回、何杯も何杯もおかわりするほどのおいしさですから! 完食したところで、トイレ、トイレ……。さっきから我慢しているトイレ。そうです。ここではトイレは外でします(トイレ付きの建物がある場合は別ですが)。

実は数時間前にも四駆の後ろで女性陣はトイレをしたので、もう外でトイレをすることなどへっちゃら! なのですが、ここにはあまり茂みがなく、少しだけ悩みました……。To be or not to be that is the question. あぁ、シェークスピアのあの一節が頭の中をぐるぐるを駆け巡ります。1秒悩んだ末、仲間のお姉さんが見つけた小さな岩の影でちょちょちょっと事を済ませました。自分が少し頼もしくなった気がしました。

人助けと岩とレール

いろいろとすっきりとした気分で次の場所へ向かいます……と、目の前の道に車と人が止まっています。私たちに助けを求めるジェスチャーをしてきます。ここまでツアーではなく、個人で来ている猛者たちです。どうやら車が故障してエンジンがかからないようです。優しいドビーは彼らの車をぴょいぴょいと直し、頼もしさを遺憾なく発揮しました。

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ドビーはすごいですね。人助けをして清々しい気分(私は何もしていない)で次の場所への歩みを進めます。ここは……。岩です。火山の近くです。いつの間にか岩にのぼっているドビー。かわいい。

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高山病にはならないものの、やはり標高の高さゆえ、疲れやすくなっているようで、この時点で私たちはすでに疲れています。移動中の車の中では二人ともぐっすり寝ています。ここでは、移動中の景色はあまり代わり映えしないので寝ていても大丈Vです!

目を覚まし辺りを見渡すと、どうやら次の場所に着いたようです。目の前には列車のレールがあります。

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今も使われているレールなのか、それとも昔のものなのか定かではないのですが、まだまだ現役そうな見た目をしています。何もない場所にただレールだけがどっしりと設置されている。この光景もまたすごいものだなと思いました。近くにはなぜか犬もいて、まりあたんはひたすら犬とたわむれていました。

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旅にアクシデントはつきもの

次は、小さい町のティエンダ(小さなお店のこと)に寄ります。ここでトイレとお菓子の購入を済ませ(男性らはビールを買っていました)、また移動を続けます。

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と、順調に進んでいた車が、何もないところで突然止まりました。何事かと思いきや、タイヤがパンクしたみたいです。実際に見てみると、あらら、タイヤがぺっちゃんこになっています。

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パンクってあるのですね。車のことならなんでもお任せ・ドビーが手際よくパンクを直してくれました。かかった時間、15分ほど。ちなみに、1滴も水を飲んでいないのにトイレに行きたくなった私は、ここでも大自然の中で清々しくトイレを済ませました。高山病には水をたくさん飲むのがよいらしいですが、この2泊3日の旅で私は食事以外の水は500ミリリットルも飲みませんでした。もともと水を飲まない体質なのですが、高山病対策に買った1.6リットルの水はキャップを一度も外れることなく、その役目を終えました。

2日目の宿に到着

タイヤのパンクが直り、車を数十分走らせると、ついに内装が塩でできた宿に到着です。床も壁も塩です。少しだけ感動しました。

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ここでこの旅、最後の宿泊をします。部屋はまた6人部屋かと思いきや、ここでは4人部屋と2人部屋でした。最後に部屋に入ろうとした私たちは、ドビーに「君たちは2人部屋だよ」と案内され、念願の2人部屋に! いっつも4人で英語で絶えずしゃべっているハイテンションな人たちと別部屋です。そこまでしゃべりたくない私たちはそのテンションについていけてなかったので、部屋が分かれてほっと一安心です。

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少しの休憩を挟み、本当に小さな町を散策すると(10分もあれば町を一周できます)、なんとジャマに遭遇しました。野生のジャマです。町を我が物顔で闊歩しています。このジャマも人慣れしているのか、少し近づいたくらいでは逃げません。さらに近くまで近づこうかと思いましたが、もしジャマに攻撃でもされたらか弱い私はひとっ飛びなのである一定の距離を保ちつつ、ジャマを眺めました。

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宿に戻り、今日こそは! とシャワーを浴びる準備にいそしむ二人。昨日浴びることができなかった分、今日は思う存分浴びるぞ! と。恐る恐るシャワーの蛇口をひねると、熱々のお湯が出てきました! 冷たい水のシャワーでなくて本当によかったです。壁をちらりと見てみると、シャワーを使える時間は8分までのようです。急いで事を済ませます。

シャワーを浴びた後は、ドライヤーで髪を乾かします。電源を使ってよいと事前に聞いたので、それでジャーーーと乾かしていると……突然、電源がシャットダウン。同じコンセントで充電していたスマートフォンの充電もシャットダウン。宿の人に聞いてみると、どうやらドライヤーは電力(?)が大きすぎるため使ってはいけないそうです。ほんのり乾いた髪としょんぼりした気持ちで私は部屋に戻りました……。

部屋でしばらく休み、仲間たちが談笑している食堂へと向かいます。夜ご飯の時間まではあと30分ほどあります。私たちは温かいお湯を飲みつつ時間をつぶします。寒さと彼らのうるささとおなかの空き具合でまりあたんは少しご機嫌斜めです。なんとなく険悪な雰囲気に包まれた30分を過ごしました。30分たち、ついに出てきた食事(スープとパンと炒め物)。今回もおいしくばくばくいただきました。ごちそうさまでした。

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明日は、ウユニ塩湖に出現する日の出を見るために朝の4時半に出発なので今夜は早く寝ないといけません。夜の10時前にはぐっすりと寝て、朝はばっちりと起きることができました。寒さに少しだけ震えながらウユニ塩湖へ出発します。さて、われわれは無事に日の出を見ることができたのでしょうか。次回に続く。

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まりあたんは無事に家に帰れるのか?! まさかの点滴地獄(下)

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今回で「まりあたんおなかいたた三部作」は終わりを迎えます。長々と書きつづりましたが、最後の章をご一読ください。

病院へ戻った私が目にした光景

ペットボトルの水3本を抱え、大急ぎで大荷物で病院へと戻ると、ベッドに横たわるまりあたんの姿が……? と思いきや、起き上がって不満そうな顔をしています。

まりあたん「3つ目の点滴は速度を速められて20分くらいで終わって、次の点滴ももう終わったのに、誰も注射の針を腕から抜いてくれないの! 腕が痛いのに!」とのこと。

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なんと、私がもぐもぐとおなかの空きを満たしているうちに点滴が2本も終わって、まりあたんに少しだけ元気が戻っていたとは! 点滴を4本も打てば、元気も少しは出るし、腕も痛くなりますよね。看護師に「点滴終わったよ!」とアピールしてもそのまま放置の状態が続いているようです。どうやら、ここは私が看護師に目で合図をするしかなさそうです。ちらちら。ちらちら。看護師と目が合い、こちらに向かってきました。

点滴が終わっていることを確認し、まりあたんの腕から針を……抜かない! 抜かずにまた去っていってしまいました。ぐぬぬ。もう腕から針を抜くことは諦め、まりあたんと仲良く談笑します。

やはり医師は偉大だった

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「そういえば、あの医師歴40年ですって顔のおじさん、いい人だったよ。夜勤の看護師が患者のそばを離れていた時があったみたいで、すごく怒ってたの。二度とこんなことするんじゃないぞ! って感じで」

それを聞いた私は、やっぱり医師ってすごいんだな。あのおじさんは、人を助ける使命感を忘れておらず、とても志の高い人なのだなと思い、感動しました。また、朝方いた若い医師はやる気がなさそうに見えたけれども、このおじさんのような人が一人でもこの病院にいることに安心感を覚えました。さらに続けて、

「あと、斜め前の人はやっぱり、悪い人かも。ベッドに足かせ(重り)ついてるし、あの人に対してだけみんな扱いが雑なの。それに、めぐたんがいない間にテレビ局がたくさん来て撮影してたの。あのおじさん医師にもインタビューしてたよ」と。

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本当だ、ベッドに足かせ……。この時は、悪いことをして逃げ回ったすえにけがをしたのかと想像しましたが、のちにこの人物は娘殺しの殺人犯で刑務所に入れられていたところ、ほかの受刑者から暴行を受け、ここに運ばれてきたのだと判明しました(Agreden al padre de la niña Abigaíl y lo dejan en coma - La Razón)。罪を犯した人の中でもランク付けがあるのですかね。「娘殺し」だから、刑務所内で瀕死になるほどの暴力を受けたのかなと。

てか、殺人犯と同じ病室って! ちょいこわっ!(相手は瀕死で動けないからちょいこわいです)

ここからまただらだらと、尿検査の結果がまだこないとか、けんちゃん食堂はGoodだったよとか、たわいもない会話をしていると、ついにあのおじさん医師がやってきました。

ツーデイズ、セブンデイズ

「やあ、元気かい?」みたいなノリでやってきたおじさん医師。もう点滴も終わり、おなかの状態もたいぶよくなってきたそうなので、いよいよまりあたん解放の準備に入りました。家で服用する薬の名前を紙に書き、スペイン語で説明すると思いきや、ちょこっとスペイン語をしゃべったあとは、私に向けて「ツーデイズ、セブンデイズ」とひたすら言ってきます。「この薬は、ツーデイズ、セブンデイズだよ」と。おぉ……よくわからないけど、わかったよ!

このおじさん医師の英語力は私よりもあいまいなものです。最初に、「What do you born?」と聞かれましたので(笑)。

それでも一生懸命、誠実に優しく話しかけてくるさまは、とても好感を持てました。薬をもらう場所を教えてくれるらしく、おじさん医師と一緒に扉の外に出ると、マスコミに囲まれる私たち! さっきの殺人者の件でおじさん医師に話を聞こうとしているのです。おじさん医師は私に「あそこを曲がってあそこでお会計をして……」と丁寧に説明してくれ、じゃ行ってくるね! と彼に告げ歩みを進めると、すぐさま彼を取り囲むマスコミたち。やはり、彼は偉い人なのかも……!

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おじさん医師に教えてもらった病院内の薬局で無事に薬をもらうことができました(本当は途中でもらい方がわからなくなり、薬剤師らしき女性に助けてもらった)。もらった薬を見てみると、14錠ありました。ツーデイズ、セブンデイズと言っていたのは、1日2錠で7日間ということか! と合点がいきました。

何でも屋めぐたん

まりあたんのところに戻ると、マスコミから解放されたおじさん医師が手に尿検査の結果を持ち何やら話しています。どうやら、尿検査の結果に異常は見られなかったようです。

おじさん医師「この結果はあげるよ! コピーを取ってきて!」

と、何でも屋の私は今度はコピーを取りに再び外へとダッシュします。病院の向かい側にコピー屋さんはたくさんあるので一番近いところに行き、「へい! コピー1枚!」と頼み、出来上がったコピーを持ち、すぐさま病院へ帰ります。

私「おじさん! コピー取ってきたよ!」

原本とコピーしたものをおじさんに渡すと、なんと原本を私たちにくれました。「原本くれていいのかい!」とツッコムことは控えました。

ここでなぜか、おじさん医師は華麗にいなくなり、残された私たちは「あれ? 帰っていいの?」状態です。近くにいた看護師に「帰っていいですか?」と聞くと「いいわよ!」と言われたので、まりあたんが10時間ぶりに己の足で立ち、地面を踏みしめる時がいよいよやってきました。点滴はいつの間にか外され、いつもより軽くなった体でベッドから旅立ちます。

まりあたん「よっこらしょっと」

私たちに目もくれない看護師たちに別れを告げ、外への扉を開けます。そこに広がっていた光景とは……?!

またまたマスコミにインタビューされているおじさん医師です。何回されるのだ! インタビュー中に悪いなと思いながらも、まだちゃんとお礼が言えていなかったので、「ありがとう!」と二人で言い、おのおの握手をしてもらいました。インタビュー中のおじさん医師は、私たちに接する時の優しそうな笑顔とは一転して、真剣そのものでした。あぁ、これぞ医師だ……と最後にまた感動し、涙が涙が……。

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ホテルが違う?!

さて、感動したとこでタクシーを拾いホテルに戻ります。ホテルの住所を運転手に伝え、揺られること約10分。着いた場所は、あれ? ここ私たちが泊まっているホテルでないよね? と。名前は同じだけれども、外装が明らかに違います。もしかしたら、ホテルの裏側なのかなと思い、タクシーを一旦降りて、ホテルの中に入り確認してみます。受付の人に住所を見せると「ここよ!」と力強く言われ(でも、明らかに内装も違う)、あぁここなのか……と半信半疑のまま、まりあたんに「ここだって……!」と伝えます。

二人でタクシーを降り、再び受付に向かうも明らかに違う内容に不信感を隠せないまりあたん。

やはり、詳しく話を聞いてみたところここは私たちが泊まっているホテルではありませんでした。なんと、ほぼ同じ名前のホテルだったのです。ここは「Hostal Austria (オスタル オーストリア)」、私たちが泊まっているホテルは「Hostal Astoria(オスタル アストリア)」です。

このブログ(上)の序盤で、「予約したのに、予約がないと言われた!」と書きましたが、それは正しかったのです。なぜなら、宿が違うから。今いる宿が正しい宿で、受付に自分の名前で予約が入っていないか聞いてみたところ、ありました。私の名前が。それはキャンセルにしてもらい、ここの宿を去ります。私たちが泊まっている宿を目指し。

そうです。今まで、Aという宿に泊まっていると思ったら、実はBという宿で、その宿の住所はもちろん持っていないのです。ちなみに、宿を間違えたのはバスターミナルから乗ったタクシー運転手です。ちゃんと住所と名前を見せたのに……今泊まっている宿の住所がまったくわからないかつ、今いる場所すらもわからない(初めてきた場所)状態です。さらに、まりあたんは病み上がり。この状態でどうやって宿に行けばいいのか……。

まさかの救世主

とりあえず、大通りまで歩き、お店の人に聞いてみます。「近くに映画館があって、青い看板のHostal Astoriaって宿を知りませんか?」と。皆「知らないわ」と……。自力で行くのは諦めます。私がバスターミナルからホテルまでの道順は覚えていたので、バスでいったんバスターミナルまで行き、そこからタクシーに乗る手段を取るか、あるいはタクシー運転手にダメもとで聞いてみるか……。

それにしても、バスもタクシーもまったくつかまりません。走っている数は多いのですが、どれも満員だったり人が乗っていたりで、止まってくれません。道の真ん中の歩行者ゾーンでたたずむ二人。十数分たち、やっとタクシーが止まってくれました。まりあたんがダメもとで宿の場所を聞いてみると、「ガソリンスタンドが近くにあるところかい?」と。

ガソリンスタンド! ありました! 「シーシー!(Yes, Yes)」

この運転手さんすごい。期待に胸を膨らませながら乗車していると、ついに宿が!! すごすぎる。感動です。この人は命の恩人なので、料金12ボリビアーノのところ、20ボリビアーノあげました。宿に帰れないかもと思っていたので、本当に助かりました。

この宿探しの旅で約1時間は消費し、結局宿に着いたのは午後5時を過ぎていました。朝から夕方までてんやわんやだったので、さすがに疲れた二人はその夜ぐっすりと寝て、次の日もゆっくりと起床したのでした。終わり。

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まりあたんの容態はよくなるのか?! 新たな医師の登場(中)

 

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今回は、前回↑からの続きです。

頼りになりそうな医者登場

そんなこんなで、再び私が看護師から呼ばれました。中に入ってみると、「医師歴40年です」と肩書がつきそうな人がまりあたんのそばにいて、私に容態を伝えてきます。わからない単語はグーグル翻訳で見事に翻訳してもらいました。

もうまりあたんの容態は良いそうです。まりぽよ、よかったね。と思いきや、ここからさらに尿検査をするそうです。え! もういいんじゃないの! と驚きつつも、医師の言葉には従うしかありません。

私はここで初めてまりあたんに聞いたのですが、どうやらバクテリアがまりあたんを攻撃していたようです。まりあたんは昨日、袋に入った水を買って飲んでいたので、もしかしたらそれにバクテリアが入っていたのかもしれません。看護師にも「ボトルに入っている水を飲んでね」と言われたそうです。

ボリビアを訪れた人のブログにはよく「ボリビアでは水が袋に入っている!」と書かれていたので、そんなに危険なものではないと思っていました。ボトルの水に比べたら危険なのかもしれないですね。これからボリビアで水を買う人は要注意です。袋の水のほうが安いですが、自分が嘔吐下痢になって苦しむところを想像してみてください。ボトルの水を買いましょう。

尿届けの旅

さて、今度は私はまりあたんの尿を、さきほど血液検査の結果を聞きにいった建物に持って行きます。建物の中に入ると……並んでいる。しかも、列が動く気配はなし。どんだけかかるんだ……と絶望しながら列に並び、1ミリずつ動いていく列を眺めます。午前4時すぎに起き、軽いパンを少しだけ食べた私の体に、「立つ」という行為は少しきついようで椅子に座ってリラックスしていると、私が病人だと周りの人に間違えられました。

列が動いたので立とうとしたら、「あぁ! 座ってていいのよ!」と優しいおばさんに言われました。はははは。前に並んでいた人には「昨日、ボリビアに来て、今日病院だなんてかわいそう……」的なことを言われました。はははは。

ここはこのままにしておこう、と訂正せず苦笑いをしていると、看護師らしき人が「あなた尿を持っているの? こっちに来なさい」と私に言い、列をすっ飛ばして奥の部屋に入り、無事に尿を渡すことができました。何を言っているのかは1ミリたりともわかりませんでした。病気関係のスペイン語はわかりません……。

とりあえず、自分の任務は終えたのでまりあたんの元へと戻ります。外に追い払われることなく、ベッドの隣に腰をかけて、しばしの間、唇が真っ青のまりあたんと談笑します。私がいない間に、点滴はもう三つ目になったそうです。すごい……。私が日本でノロウィルスにかかったときは、点滴一つだけだったのに、三つとは。病院側がお金を稼ぎたいのか、それとも本当に三つの点滴が必要なほど深刻な症状なのか、定かではありません。

カルチャーショック

まりあたんのそばにいる間も、救急車から人が運ばれてきます。あぁ、顔が……という明らかに症状が重そうな人がやってきました。まりあたんによると、4階から落ちたらしいです。その後も人がまた運ばれてきました。その人はなぜか、テレビ局らしき人たちに撮影されていました。あんなに重体そうなのにカメラを近くに向けて、しかもマイクまで持っている人がいるとは、なんでもありなのだなと思いました。

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この部屋には、いろいろな症状の人がいたり、あるいは入ってきたりとせわしなく空気が動いています。最初に鼻血を出していた人は途中で輸血され始めいつの間にかどこかに消えました。頭から血を流したおばあちゃんは無事に手当をされたけれど、ずっと椅子に座っていて、なぜかいまだに帰れません。まりあたんの隣のベッドの人は牛乳を飲んでおなかを壊した人。救急車から運ばれてきた人たちは、明らかにけがが酷そうで見ているだけでつらくなります。

こんなにも病院はせわしなく動いているとは知りませんでした。ここは日本ではなく、ボリビアだからということもあるかもしれませんが、多くの人がさまざまな症状で病院を訪れるも、迅速な手当が受けられるとは限らない。多くの血、傷ついた人の顔、体を見て、カルチャーショックを受けました。

日本食堂・けんちゃん

午後1時近くになりそろそろおなかの空き具合も限界だったので、私は腹ごしらえをするために病院から抜け出します。ちょうどまりあたんの最後の点滴も始まり、今までの点滴の終わり具合を考慮に入れると約2時間はかかりそうだったので、抜け出すにはよいタイミングでした。

「けんちゃんに行ってくれば?」

とまりあたん。そうです。今日は本当は二人でラパスにある日本食堂・けんちゃんに行く予定だったのです。まりあたんは自分が行けないにもかかわらず、私に行っていいよと勧めてくる優しさ……。泣きました。でも、けんちゃんには二人で行くのです! 決して一人で抜け駆けして行くことなどできません! 外に出て、坂を下りご飯屋さんを探します。うーん、ないなぁ。やっぱり、けんちゃん行くかな! ひっひっひっ。

へい! タクシー! と華麗にタクシーを拾い、けんちゃんまで乗せていってもらいます。揺られること約10分。ラパスの街中にひっそりとたたずんでいるけんちゃんを発見です。日本食だー!

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2階に上がり、お店の中に入ります。お、意外と広い店内です。どうやらお座敷もあるようです。私はとりあえず、一番奥まで行き空いている席に座りました。店員に「セニョーラ! メニューはありますか?」と聞くと(スペイン語)、「ちょっと待って!」と日本語で返ってきました。おぉ、びっくりした。

ちょっと待ち、メニューをもらい眺めてみると、中華から和食まで多くの日本食があります。どれも食べたい……でも、私はカツ丼を食べると昨日から心に決めていたのです。メニューを一通り眺めてみたあと、すぐさまカツ丼と水を注文しました。この店は富裕層向けだなぁとか、あの人は日本人っぽなぁとか、隣から「ハポネス」(日本人)という単語がたくさん聞こえてくるなぁとか、売り上げは良さそうだなぁとか、いろいろなことを考えていたら、ついにカツ丼がやってきました!

お味はおいしい……かも!

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念願のカツ丼です。一口食べてみると……おぉ! 日本で食べる超絶おいしいカツ丼には及びませんが、久しぶりの日本食でカツ丼を食べることができて、私はもう天にも昇るほどの幸せを感じました。残念な点といえば、カツ丼の汁が多すぎてご飯がひたひたになっていたことです。そのせいで味が濃いです。加えて、お肉が少しだけ焼き足らずまだほんのり赤い部分があったので、まりあたんの件で慎重になっている私はそこをぺいっと残しました。

誰かのブログに「日本食から遠ざかっている人向け(日本で食べる食事のクオリティには少し及ばない)」と書いてありましたが、その通りだと思いました。1週間の海外旅行で食べにいくお店ではなく、何カ月も海外に滞在している人向けだなと(カツ丼しか食べていないのに偉そうな私)。


カツ丼がきても、隣のテーブルに飲み物が運ばれてきても私のところに水がやってこなかったので、店員に催促してようやく持ってきてもらうことができました。安心安全でおいしいvitalのペットボトルの水です。グラスもなにもなく、ペットボトルだけを机の上に置かれました(そういう感じなのか?)。

ほぼ完食をし、まりあたんの元へ戻るため早々にお会計です。カツ丼が確か56ボリビアーノくらいで(地元のお店のそれなりに満足できるランチが10ボリビアーノくらいなので、それに比べると破格の値段です)、水が十数ボリビアーノくらいでした。水、たかっ!!! 外で買えば5ボリビアーノくらいだよ! 高すぎにもほどがある。庶民の私が来る場所ではなかった……(まりあたんと一緒にもう一度行くと思うけど)。

帰りにちらっと周囲を見渡したら、入り口付近に本棚があることに気がつき、そこになんと本田さんが表紙のNumberが置いてありました。この号です。『この4年間は間違っていたのか。』http://number.bunshun.jp/articles/-/821144 他にも日本の雑誌や本が置いてあったような気がします(本田さんに気を取られ、他に目がいかなかった)。

帰りも華麗にタクシーを拾い(両手には、道端で買ったまりあたんへのお土産の水3本を抱え)、病院へと戻っていきます。

次回、「まりあたんは無事に家に帰れるのか?! まさかの点滴地獄(下)」に続く。

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