南米's diary

2016年9月〜2017年3月頭まで南米を旅する無職な二人の愉快な日記。

初の乗馬でのろ子とともに、砂漠をのろのろと歩く

Hola! 今日は人生初の乗馬をしてきました。先日サンドボードをしたときに乗馬をしている人たちを発見し、「砂漠で乗馬?! 『エル・トポ』じゃん! 参加したい!」と思ったのです。早速、ツアー会社に予約をお願いしに行くと、「一人じゃダメ。最低でも二人いないと。月曜日の午前10時にここにまた来たら参加できるかどうかわかるよ(他の予約者がいるかもしれない)」と言われたのでしぶしぶ帰宅し、翌日の月曜日に再びツアー会社へと行きました。

「どうですか?! 予約できますか?」

「うーん、他の予約者いないね〜。でも、1万5000ペソ上乗せすれば一人でもいいよ」

なんと、参加できる! やったー! でも、なぜ今言うのかと疑問に思いました。昨日の時点で言ってくれればいいのに、と。文句を言う言語力は私にはまだないので、笑顔で「クレジットカードでお願いします(にこにこ)」と合計4万5000ペソ(約7500円)を支払いました。

いよいよ初乗馬

今回予約したのは、午前9〜12時までの3時間ツアーです。San Pedro de Atacama の街から出発し Death Valley まで行き、戻ってくるルートです。集合場所(ツアー会社)から車で5分程度のところに馬たちが集まっている場所がありました。そこでヘルメットと、足のプロテクターを装着し、簡単なレクチャーを受けます。右に行くときは手綱を右に、左に行くときは左に、停止させるときは手前に、走らせるときはお尻をぺちぺちとたたく、と。

そういえば、私一人かと思っていたのに他に二人ほど予約した人がいました。おそらく、私が予約したあとに予約したのだと思われますが、私が余分に払ったお金は……(返ってこず)。とほほ。

気を取り直して、いざ初乗馬です。切り株が馬に乗るときの台になっており、そこからひょいっと馬に乗ります。ひょいっと。ひょいっと。意外とすんなり乗ることができました。乗り心地は少しお尻が痛いことを除けば、いい感じ(ぐっ)。ガイドさんも含め4人で出発です。先頭がガイドさんで私は一番後ろ。だって、馬がのろのろ歩くんだもの! 普通に歩いているだけなのに、皆に置いていかれます。下記画像(のちの砂漠での一コマ)を見ればのろ子ののろさがわかるはずです。

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この馬は若い子なのかな、それとももうおばば、おじじなのかな、それともそれとも何か病を患っていて、いやいや本当は……などといろいろな妄想が頭に思い浮かびます。妄想の最中、馬が突然ストップして動かなくなりました。じょーーーーーーーー。突然聞こえてくる音。何事かと思ったら、おしっこです。マイペースな馬ですね(笑)。

馬を走らせるときはぺちぺちとお尻らへんをたたくのですが、ぺちぺちたたいてものろのろ歩く私の馬(もうこの馬は私の馬です)。ガイドさんに「もっと強く!」と何度も言われました。でも、そんなに強くたたくのはかわいそうで……ぺちぺちって感じでたたきました。のろのろマイペースな馬は私に合っているのでいいのです。のろのろで。みんな違ってみんないい。

途中で道路をパカパカと横断したのですが、周りには乾いた岩と乾いた土。その雰囲気に馴染まない整備されたきれいな道路を馬で横断するというのは、客観的に見てなかなか面白い光景だなと思いました。

砂漠を走る(歩く)馬

さて、犬とともに30分ほど歩いてようやく砂漠への入り口に到着しました。ここで入場料3000ペソを払います。

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ん? 犬とともに……? そうです。犬が最初からずっとついてきているのです。いつかいなくなるかな〜と思っていたのですが、いなくなる気配はまったくなく、むしろ「俺はどこまでもついていくぜ!」という気概しか伝わってきません。馬が走る速度よりも速く走り、途中で休憩し、また走る。休憩。走る。休憩。走る。それの繰り返しです。暑さで疲れているのか、舌をあらぬ方向に出しながら走っていました。頑張っている、犬。途中でガイドさんに抱かれていました。楽をしているな、犬!

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左右を岩で囲まれた岩通りを抜けると、ついに砂漠に到着です。砂漠の歩きづらそうな砂の上を、力強く歩いていくのろ子。みんなは遠く前を歩いています。このまま一人抜け出して、砂漠をさまよいたい気持ちを抑え、のろ子を少し速く走らせます。のろ子もやるときはやるのです。Go〜Go〜のろ子!

みんなに少し遅れて、一旦砂漠で休憩します。おのおの水を飲んだり、写真を撮ったり、ここまでついてきた犬に水をどばーっとかけてあげたりしています。砂漠に馬に犬に人間。ここ南米でこそ体験できる貴重な組み合わせです(多分)。

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途中でサンドボードをやっている人たちに遭遇したのですが、この日はまったく風が吹いておらず、私が参加した日のあの強風はいったいなんだったのだ! こんなに穏やかな雰囲気の中でサンドボードができるなんて! と一人で怒り狂いました。のろ子にどうどうと諭され、怒りは鎮まったのですが。

のろ子とともに生きる

休憩を挟んだらのろ子は少し体力が回復したようで、先ほどよりも速く走ってくれるようになりました。速く走るとパカパカ揺れて、お尻が痛いからそんなに走らないでくれよ……! となったのですが、のろ子はそんなことおかまいなしに、パカパカ走ります。パカパカパカパカパカパカパカパカパカパカ……。

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あぁ、気分爽快〜(お尻が痛いけど)。もう、のろ子と私は一心同体です。私が怒り狂っているときはのろ子に鎮めてもらい、のろ子が怒り狂っているときは私が鎮める。お互いが足りないところを補完し合う良い関係です。私はこれからは、のろ子とともに生きようと思います。ちなみに、ガイドさんの話によるとのろ子は16歳だそうで、今回いた馬の中では最年長でした。だから、のろかったのか……。

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泥まみれのろ子

最初の出発地点に到着したら、のろ子を水できれいに洗って今回の乗馬は終了です。私から直々に水を浴びてとても喜んでいるのろ子。と思ったのですが、他の仲間たちが待っている柵の中へ入っていくと、すぐさま地面に寝っ転がり、全身が土だらけ! せっかくきれいに洗ってあげたのに……しょぼーん。アディオス!

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