南米's diary

2016年9月〜2017年3月頭まで南米を旅する無職な二人の愉快な日記。

私から二番目に大事なものを奪った国・ボリビア

Hola! 今日は前回に引き続き、バス会社Trans Copacabana S.A.(「Trans Copacabana」は同じで「S.A.」だけ違う〈確か、Mなんとか〉別のバス会社もありますが、そちらは無関係です)を利用しないほうがよい理由を三つ挙げます。

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そのうちの一つは、私にとても大きなダメージを与えました。もしかしたら、この旅で一番ショッキングな出来事かもしれません。では、これから三つの出来事を紹介していきます。

こ、鼓膜が破れる

それは、夜になり寝ようとした時のことです。突如、前方3メートル先にあるテレビの画面が明るくなり、まりあたんの頭上から何やら音が流れてきました。どうやら、これから映画を流すようです。もう寝る時間なのに、これから映画?! と思いましたが、ここは魔の国・ボリビア。そのしきたりに従わなければカエルにされてしまいます。それでも、それでも一言言わせていただきたい。この映画を流したやつらに。

「音量大きすぎ!!!!!!!!!!!!!!!」

この音量はあり得ません。あり得ないなんて、あり得ないですが、本当にあり得ないほどの大きさです。鼓膜が破れます。周りの人たちはきっと、もう鼓膜が破れて耳から血を流しているに違いありません。そう思い、あたりを見渡してみると……あれ? 笑顔で映画を楽しんでいるではないですか。この音量に屈しないとはたくましすぎます。

私たちはたくましくないので、もう音量の大きさにたじたじです。本当にうるさすぎて、こんな音量を流さなければいけない映画とはどんな映画なんだ! と画面をにらみつけてやりました。すると……映画が意外と面白いことに気がつきました。

男たちが荒野を旅をしていて、道中、地面から出てくる化け物がいる場所に出くわすという内容です。B級映画らしくて面白い。しかし、音量の大きさを許してやることはできません。あの音量だけは許すことのできない大きさなのです。

どれほど許すことのできない大きさなのかといえば、我慢の限界に達したまりあたんのこの行動を見ていただければ一目瞭然だと思います。

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というわけで、バス会社Trans Copacabana S.A.をオススメなしない理由その一は、「映画の音量が大きすぎる」です。

「その場で待っていれば大丈夫だよ」

さて、二つ目の理由に移ります。前回のブログで書いた通り、私たちの荷物は次のバスに載せられ、己の体だけを最初に出発するバスに乗せる運びとなりました。荷物係のおじさんは「バスを降りたとことで待っていれば、大丈夫だよ!」とまりあたんに声をかけたので、彼女は安心してバスに乗ったのに、乗ったのに……。

降りてバスを待つも一向に何もやってきません。係りの人に次のバスの到着時間を聞いたのですが、その時間を過ぎてもやってくる気配はまったくありません。

仏のように温厚な私たちがついにしびれを切らし、係りの人に再び聞いてみると、「ここではわからない。あっち(結構遠い)の窓口で聞いてくれ」と言われました。最初から「ここではわからない」と、そう言ってくれればいいのに、今になって(バスが来るのを数時間待っていた)言うなんて……。鬼のような形相で違う窓口へと向かう私たち。

私たち「私たちの荷物どこにやったんだよ!!!!」(実際の言い方とは異なります)

窓口の人「あー、確認するからちょっと待って。

(どこかに電話をする)

違う場所(さらに遠い)にあるから、そこまで取りに行って」

窓口の人から言われた場所がさらに遠い場所──少なく見積もっても2キロ以上はあります──で、サンタクルスの暑さにやられた私たちにとってはとてもとても厳しい道のりです。バスターミナルから3キロ以上も離れた場所に荷物が置かれるなんて、最初の話(降りたところで待っていれば荷物は来る)と180度違いすぎて、もう驚きを通り越してあきれました。お前は二枚舌か。

それでも荷物は必要。私たちが自ら取りに行くしかありません。暑い中、疲れている中、荷物を取りにひたすら歩きます。そして、ついに、ついに、荷物とご対面……その衝撃の結末は?!

やられた

まず最初にまりあたんのスーツケースが出てきて、次に私のバッグパックが出てきました。なぜか両方ともとても汚れています。おそらく、ほかの業務用の荷物などと一緒に雑に扱われたのでしょう。かわいそうに……。

荷物を受け取りこれで一件落着……と思いきや、私はあることに気がつきました。荷物を預けたときは確かにあった、バッグパックにくくりつけていた私のサッカーボールがなくなっています。荷物を持ってきてくれた人に、「私のサッカーボールは? ここにくくりつけてあったんだけど!」と聞くも、「荷物はこれで全部だよ」と。

や、やられた。やられました。私のサッカーボールが盗まれました。ショックでその場に崩れ落ちて泣き叫びました。

私の!!!!!!! 私のサッカーボールを返して!!!!!!!!!!!!!!!!!

いやぁあああああああああああああああああああーーーーーーーー!!!!!!!!!!

私のサッカーボール!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

返してぇええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!

私にとってどのくらいこのサッカーボールが大事かは盗人にはわからないでしょう。私にとってこの子は、命の次に大事なのです。命の次に、ですよ。むしろ、一眼レフを盗まれたほうがまだショックが少なかったでしょう。そのくらい、本当にこの子は大事だったのに……。

一通り泣き叫んだ帰り道、私は心の中でずっとこう念じていました。

「お金のためなのか、子供のためなのか、わからないけど、盗んだボールで練習したって絶対にうまくなれないからな、絶対に。うまくなれない呪いをかけておくからな」

と。4、5年前にヨーロッパに行った時も、数年前にインドネシアに行った時も、サッカーやりたい病が発症し、そのつどサッカーボールを買い、海辺で街中で郊外でうえーいとボールを追い掛け回し、それを今でも大事に使っている私。家にはそんなかわいい子供たち(サッカーボール)がたくさんいるのです。今回の子もその仲間入りするはずだったのに……だったのに、うぅ。ひどすぎる。


さて、今回は一部(泣き叫んだくだり)フィクションでお送りしました。それ以外はすべてノンフィクションでございます。前回のブログ内容とあわせ、以上4つの理由「トイレを使えない」「映画の音量が大きすぎる」「荷物を遠い場所に運ばれる」「サッカーボールを盗まれる」から、バス会社Trans Copacabana S.A.はオススメしません。