南米's diary

2016年9月〜2017年3月頭まで南米を旅する無職な二人の愉快な日記。

チリ・サンティアゴで急死に一生を遂げる

お、おら……(元気がない)。そう、今の私は元気がありません。タイピングする指、手、腕にまったく力が入りません。キーボードに優しいソフトタイピングです。ついでに、心にもまったく力が入っておらず、ぽかーん(真っ白)としているのですけどね……。私の心が真っ白に、空っぽにさせた事件の顛末をこれから書きつづりたいと思います……。あぁ、思い出すだけでもう、私は……。

あの事件が起こったのは、お昼ご飯を作っている最中でした──。

「めぐたーん、私がお風呂入っている間にうどん茹でて!」

まりあたんの元気な声が部屋中に響き渡りました。どうやらお昼ご飯はうどんのようです。まりあたんが作るうどんはおいしいので、心を弾ませながら、

「おう!」

と応えました。まず、お湯を茹でます。水ではなく、お湯を入れて茹でるのがポイントです。まりあたんから教えてもらいました。鍋にたっぷりとお湯を入れ、「強」に温度設定したIH調理器の上に置きます。

十数分後、ぶくぶくと沸騰……はしていないのですが、まりあたんがお風呂から出てきたため、うどんを入れることにしました。量は適当です。茹で時間は8分ですが、その2分前に出してと言われていたので、6分待ちます。勉強をしていると時が経つのはあっという間ですね。あやうく、1時間くらい経ちそうな勢いでした。

鍋のほうを見ると、服を着終えたまりあたんがうどんの蓋を取り、うどんの茹で具合を確認しています。もう取り出していいそうです。私は鍋の元まで行き、熱々の蓋を取り外します。これに当たったら火傷をしてしまう。そう思った私は、その蓋を水で冷やすことにしました。水道の蛇口をひねり、熱々の蓋に水をかけると……

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「パーン」という爆発音とともに、蓋が粉々に破裂しました。突然の出来事に何が起こったのか把握できず、呆然と立ち尽くす私の横でまりあたんが、

「そりゃそうでしょ」

と薄笑いながら言い放ちました。え……? あれ……? え……? あっ、そうか! この蓋はガラス製です。「熱いガラスに冷たい水をかけると破裂する」。そういえば、そんなことを聞いたことがあったような……などと考えを巡らせていると、蓋を持っていた手の親指からだらだらと血が出てくる光景が目につきました。どうやら、飛び散ったガラスの破片が私の可憐な親指のハートを射抜いたようです。鋭い弓矢が親指のハートに刺さったため血が止まりません。洗い流しても洗い流しても、とめどなくあふれてくる血。つらいときに涙が止まらない現象と同じです。どうしよう……。私、このまま死んじゃうのかな? チリで死ぬのかな? と本気で心配していると、

「止血しなよ」

と氷よりも冷たい声が聞こえてきました。そうか、止血をしなければ。私の貴重な血をこれ以上流させるわけにはいかない。トイレペーパーで傷口をぐっと抑えます。でも、傷口を抑えるとどんどん血が出てくるよね? やっぱり、私死んじゃうの? と疑問に思っていると、

「傷口じゃなくて、その少し上を抑えるんだよ」

と再び氷よりも冷たい声が聞こえてきました。こやつ、ただ者ではないな。なぜそんなことまで知っているのだ、と感心しながら私は傷口の少し上を抑え始めました。なんだか右手に血の気がない。力が入らない。やっぱり、私死んじゃうのかな? なんかちょっと気持ち悪いし……。出血多量で死んじゃう? 病院行くの? 縫うの? 嫌だよ……。痛いのは嫌いなんだよ……。というかもう、指を切ったショックで死にそう。私が怪我で死ぬときはその怪我のためではなくて、その怪我を負ったショックで死ぬと思う。無理、親指を1センチ少々切っただけで、もうショック死しそう。怖いよぉ……などと、いろいろと頭の中で考えていると、再びあの声が聞こえてきました。

「傷口にガラスの破片入ってない? 入ってたら取るんだよ。もし取れなかったら病院で取らなきゃだし。アルコール消毒する? 白ワインだけど」

と、傷の対処の仕方を教えてくれました。病院でガラスの破片を取るところを想像したらもうそれだけで痛くて死にそうになったので、「どうかガラスの破片がありませんように」と祈りながら傷口を見てみました。血がうっすらとついている傷口。ガラスの破片はないようでした。よかった……。消毒は痛いのでしません……。想像するだけで痛くて死にそうってさっきから書いているでしょ! 無理なの! 清潔に水で洗ったから大丈夫だもん。

冷徹な声の持ち主・まりあたんは生活する中で怪我をたくさんしてきたそうで、怪我には慣れているみたいです。料理も小さい頃からやってきて、切り傷や火傷はお手の物。かたや、四角く分厚い箱に入れられて育ってきた私は、料理などほとんどしてこなかったですし(一人暮らしで簡単な自炊をしたり、調理のバイトをしたりしたことはあります)、部活をやっていても大きな怪我などしたことがなく、本当に怪我とは無縁の生活だったのです。唯一の大きな怪我といえば、小学生の時に指をハサミで切ってしまい、病院へ行って縫ったことです。そういえば、主治医に「立派な眉毛だねぇ〜。将来、剃ったりしないほうがいいよ〜」と言われたなぁと思い出しつつ、まりあたんに、

「ぬ、縫ったりしなくて平気かな……?」

と死にそうな声で聞いてみると、

「そのくらいの怪我なんて平気でしょ」

と平然とした声で返されました。そ、そのくらいのけ、怪我?! ゆ、指を1センチ近く切って、血をだらだらを流したのに、そのくらいの怪我?! 

「私なんて3センチぱっくり切っても放置してたら治ったし」

やばい。どうやら、まりあたんは私と住む世界が異なる住人のようです。異世界から来た勇者なのかもしれません。頼もしいのやら冷徹なのやら……。そんなことを考えていると、死にそうな気持ちが少しだけ回復してきました。止血した傷口に絆創膏を貼る体力が出てきてたので、ぺっぺっと貼り、飛び散ったガラスの後始末をすることにしました。

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床に落ちているガラスの破片をベランダにポイっと捨て、シンクにある鍋蓋とガラスの破片を袋に入れゴミ捨て場に持っていき(まりあたんが3分の2をやってくれました。ありがたや)、無事に後始末は終了です。それとともに、お昼の大盛りうどんも出来上がりました。さっきは、本当に死にそうで、食欲などなかったのに、まりあたんのおかげ(?)で食欲が戻ってきました。いつもより甘めにしたうどんの汁はとてもおいしかったです。

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ひょっとしたら、死にそうな出来事を経験したからこそ、何気ない食事がとてもおいしく感じられるのかもしれません。生きていることに感謝ですね。天からいつも見守ってくださっているお方へ、私を守ってくださりありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

追伸:このあと、母親にLINEをしたら電話がかかってきて、「大丈夫?」「病院行った?」「縫わないの?」「私が切ったときは縫ったんだよ」「破傷風になったら大変だよ」(破傷風のワクチンは打ちました)と過度に心配されて(このような環境で育ったため私は心配性なのかもしれません)、再び不安で死にそうになった私でした。

料理イベント「Espacio Food & Service」に行ってきたよ in チリ

昨日(9月29日)は、Espacio Riesco(日本の幕張メッセのような場所)で開催されていた料理イベント「Espacio Food & Service」(eFoodService)に行ってきました。eFoodServiceは2011年から開催されている企業向けのイベントです。ウェブサイトの説明によると、このイベントは料理産業において最も重要であり、ラテンアメリカの国々と交流できる場所だそうです。こういったフェスが開催されることはまったく知らなかったのですが、チリ人の友達が教えてくれて私たちも彼女と一緒に行くことにしました。

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行きは友達の母親が車で送ってくれました。ありがたや。Universida de Chileから会場までは車で約40分なのですが、道が渋滞していたため、1時間強かかりました。その間、生暖かい車内の温度が眠気を誘い、私はぐっすり寝てしまいました。起きたら周りが山に囲まれた場所に着いていて、タイムスリップしたような感覚に陥りました。

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いざ、会場の中へ

車から降り、友達に案内され会場の中へ入っていくと、それなりに多くの人がいました。事前にウェブサイトで自分の名前や所属企業名などを登録し発行されたQRコードを入場口で見せて、パスをもらい無事に入場することができました。事前登録をしていないと、入場するのに料金を取られるみたいです。

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(上記写真の左から3本目は日本の国旗です)

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会場の中を進んでいくと、いろいろな企業(料理)のブースがあります。入り口に近いところに日本のブースを発見しました。日本酒、お寿司、ラーメン、 日本貿易振興機構ジェトロ)、霧島茶などです。日本酒は北海道・旭川のもので、甘くて飲みやすかったそうです(私は飲みませんでした)。

お寿司ブースではなぜかポップコーンの試食をやっていました。確か、アメリカで作っているか、売っているかで(うろ覚え)、カレー味、抹茶味、のり味の3種類がありました。一番おいしかったのは抹茶味でした。抹茶に加えてキャラメルのコーディングもされていたので、よりいっそうおいしく感じられたのかもしれません。

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ラーメンブースではラーメンの試食ができました。なんと生麺です。おいしい……。決して、チリに居て、日本食をあまり食べていないからおいしく感じられたのではありません。これは日本で食べてもおいしいラーメンに分類されるものでしょう、多分。

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次のブースではなんとお茶が置いてありました。チリには日本のお茶がなく、「日本のお茶が飲みたい……」と思っていた私は感激しました。しかし、見たことのないお茶です。霧島茶……? そのブースにいた日本人の方に教えてもらったところ、霧島茶とは鹿児島県のお茶らしいです。初めて知りました。

チリへの進出をもくろむ霧島茶。シリコンバレーには伊藤園お〜いお茶が進出しましたが、そのチリバージョンとなるのでしょうか。試飲した霧島茶は日本で飲む他のお茶よりもおいしかったので、きっとチリ人にも受け入れられるはず……(甘いもの大好きチリ人だから味覚が心配ですが)!

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メイン会場へ。試食品を食べ尽くす

日本のブースが並んでいたところはメイン会場に行くまでの通路でした。いよいよ、メイン会場に入ってみると……広い! おいしそうな料理を提供しているブースがたくさんあります。ソフトクリームなどの甘いものからエンパナーダ風の調理パンまで、さまざまな種類のブースが目に飛び込んできました。中には調理器具の展示をしているブースもあります。

とりあえず、一つひとつブースを見て回ることにしました。どのブースも本当においしそうな料理を提供しています。食べて食べて食べまくる私たち。というか、来場者も食べて食べて食べまくっています。料理イベントだから当たり前といえば当たり前の光景だとは思いますが。

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途中で日本人がからあげを揚げているブースを発見しました。揚げたてのからあげが食べられる! やばい! 食べたい! 日本のからあげがチリで食べられる日が来るとは……(涙)。待っている間、ブースの周りにはどんどん人が集まってきます。からあげが揚がるとさらに人が多くなってきました。やはり、われわれは日本人(プラス控えめのチリ人一人)なので、人混みに負けてからあげが乗せられたお皿に手を伸ばすことができません。

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長い間待っていたのに、からあげ食べられないのかな……と落ち込んでいると、からあげを揚げていた日本の方が私たちにわざわざからあげを持ってきてくれました。歓喜です。日本人に生まれてよかったと初めて思いました。揚げたてのからあげはとてもおいしかったです。揚げたものは冷凍だったけど、それを感じさせないほど本当においしかったです。冷凍でこのレベルが提供できるとは…‥ぐぬぬ、すごいぞ、と唸りました。

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その後も本当にいろいろな物(チーズやチョコ、ジュース、ワインなど)を食べたり飲んだりしたのですが、このカップケーキを見てください。これが無料で配られていたのです。配布場所はもう行列です。私の番になったら、自分が欲しかったものと違うカップケーキを渡されそうになったので、「ese」(それ)と言い、欲しかったチョコのカップケーキを無事ゲットできました。皆おのおの違うものをもらいました。どれも、おいしそうーーーー。実際に食べてみると…‥おいしい!! でも甘い! でもおいしい! でも甘い! 幸せふふふ。

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助手・まりあたん

最後にお酒ブースを回っていると、アクロバティックな技を披露しつつお酒を作っている人に出くわしました。3人で見入っていると、まりあたんが彼に呼ばれました。「ちょっと手伝ってくれない?」と。ぐぬぬ。3人のうちで一番華があるまりあたんを選ぶとは……ぐぬぬ

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観衆に見守られ彼のお手伝いをするまりあたん。私がいる位置からでは手元がよく見えないけれど、頑張っているオーラが伝わってきます。戸惑いつつも頑張っている、まるで生まれたての赤子のようなまりあたんの姿を動画に撮りましたので、ぜひご覧ください。

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約3時間みっちり料理を食べ続けて満足した私たちはそろそろ帰ることに。帰りはまりあたんと私の2人で自力で帰ります。バスと電車を使うのですが、バス……。チリのバス……。の、乗り方がわからないし、降り方もわからない。

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とりあえず、チリ人の友達に教えてもらいましたが不安でいっぱい。そんな私たちを見かねてか、彼女がバス停に居たチリ人に「この子たちは◯◯駅まで行くのですが、降りるときになったら合図してもらってもいいですか?」と頼んでくれました。神様や……。

チリで初めてバスに乗ります。このbip!カードとともに。これがないとバスに乗れないので、ない人はUniversidad de Chile駅にある機械、あるいは窓口で買いましょう! これがあれば電車に乗るときもチケットをわざわざ買わなくてよいので便利です(日本のSuicaPasmoにあたります)。

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バスに乗り込むと、2種類の席があります。半分から前は進行方向と逆方向を向いている席で、半分から後ろは通常の向きの席です。すべてのバスがこうなっているのかはわかりませんが、このバスの席はそのようになっていました。バスにゆらゆらと揺られていると、時々乗客が降りるのですが、降りるタイミングがまったくわかりません。

運転手が「次は〇〇〜」とか一切言わないのです。それなのに、皆、自分の降りたい場所で降りることができている……。すごくないですか。どうなっているのか、よく仕組みがわかりません。私たちは、彼女が頼んでくれた人たちのおかげで無事、駅で降りることができました。ありがたや。そして、家にも無事、帰ることができ、今回の料理イベント遠征は終わりを告げました。

ちなみに、今回の写真にぶれぶれなものが多いのはお許しを……。それでは、アディオス!

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念願の新築マンションへの引っ越し。私とコアラとカンガルー

Hola! 前回のブログから時間が経ってしまいました……。引っ越しやら本格的に勉強開始やらでブログを書く時間が取れませんでした!!(言い訳) 今回は、新しい宿への引っ越しについて書きたいと思います。

ノロノロ運転で新しい宿へ

現地時間23日に前に住んでいた宿から少し離れたところにある新しい宿に引っ越しをしました。今回の宿には帰国する3月まで滞在します。Airbnbに掲載されている写真から「きれい」「部屋が広い」「ベッドルームとリビングルームが分かれている」とわかっていたので、期待で胸を膨らませての引っ越しです。

部屋の掃除を秒速でして、大荷物を抱えて宿を出てタクシーを拾います。運転手さんに次の宿の住所が書いてあるスマホの画面を見せます。すると、何か言われました。えっと……なんて言っているんだ? 二人で首をかしげていると、まりあたんが「あっ、郵便番号を聞いているんだ!」と言いました。

郵便番号……ネットにつながっていないから調べられないよ!! どうしよう……と思っていたら、再びまりあたんが「あっ、郵便番号じゃなくて、これの読み方を聞いているんだ!」と言いました。

「これ」とは、住所に書かれた「サンティアゴ」と「チリ」という言葉です。その二つだけ日本語で書かれていたので、運転手さんはどういう意味だかわからなかったようです。でも、他の住所がスペイン語で書いてあるのだから、そこから推測できそうな気がしないでもないのになぁと思ったのはここだけの秘密です。

とりあえず、問題は無事に解決し、安全運転、別名「運賃を稼ごうとするノロノロ運転(運賃は時間制)」で新しい宿まで乗せていってもらいました。新しい宿は新築マンションなだけあって、外見がきれいです。しかし、周辺はまさに発展途上という感じで、至る所で工事をしています。新築マンションの向かい側には平たいトタン屋根のような家が数多くあり、たった1つの道がこちら側とあちら側を分けているのだな、となんとなく沈んだ気持ちになりました。

床でゴロゴロ

まだチェックイン時間まで約2、3時間あったのでマンションのロビーでくつろごうかと思ったのですが、なんとロビーが、受付の人に一声かけないと不法侵入だと思われそうな場所に……。勇気を出して、部屋を借りる予約をしてある者だと受付の人に伝えたのですが、なんだかいまいちな反応。

まりあたん「めぐたん、今ね、『空いている部屋はありますか?(泊まれますか?)』って聞いてたよ」

!!!!!!!! 電子辞書の「2部屋予約してあるのですが」という例文を読み上げたはずなのに、そんな意味になっていたとは……。ギブ アップ!! まりあたん選手に交代です。数秒後、受付の人に「部屋に行っていいわよ」と言ってもらえました! やったー! あれ、でも、鍵がない。鍵は……? えっと、よくわからなけいど、とりあえず部屋まで行くことにしました。とりあえず動く精神大事。

エレベーターに乗って目的の階に着き、さらに目的の部屋に着きました。ドアの前で耳を澄ませてみると、なにやら男女の話し声が聞こえます。これはもしや、泊まっている人たちなのでは……? そういえば、この宿のチェックアウト時間は午後2時。そして、家主に伝えられたチェックイン時間は午後3時。ただ今、午後1時前。

そうか、そういうことか。でも、もうここまで来てしまいました。この大荷物を持って、また下まで戻ってロビーでくつろぐのは面倒くさい。泊まる予定の部屋の前に荷物を置き、そこであと数時間待つことにしました。しかし、何もせずに数時間も待つのは大変……。

ピカピカの床でごろごろしたり、窓から外を眺めてみたり、バク転をしたり、ほふく前進をしたりしてみたのですが、それでも止まったままの時間。この止まった時間を再び動かすためには、なにか行動をしなければいけない。そうだ、まりあたんはマンションの周辺チェックと水の買い出しに行き、私は荷物の見張りとシドニーのコアラとカンガルーと戯れることにしました。

私とコアラとカンガルー

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 こんな感じで仲良く写真を撮ってみたり、コアラとカンガルーがおちゃめに動く様をコマ撮り動画にして(かわいい♡)、楽しいひと時を過ごしていると、突然、目の前に黒い物体が現れました。うわっ。誰だ?! 私とコアラとカンガルーの仲を切り裂くのは?!

黒い物体「Megumi?」

お? あっ! 家主だ!! 

Megumi「Si! ワタシハMegumiデス!」

まさか家主がここで現れるとは思わず驚きました。家主にさらに何か言われて、「こっちの部屋に荷物を〜」と案内されたので、あれ? こっちが泊まる部屋なのかなと思ったのですが、中に入ってみると、ここは家主の部屋だとわかりました。隣の部屋から宿泊者がチェックアウトしたら掃除をするから、ここで待っていてねということです。優しい……。しかも、「ソファに座ってていいよ」「水はいる?」と聞いてくれて、1ミリだけ惚れました。

ちょっと固めのソファに座ってのんびりしていると、頭の片隅にとある人物の髪色がふと思い浮かんできました。緑の髪色……あれ、誰だっけなぁ……あっ、まりあたん!! そうです、まりあたんです! まりあたんは買い出しに行ったっきりまだ戻ってきていません。もし、今、まりあたんがここに戻ってきたら消えた荷物と消えためぐたん、何もない廊下を見て、何が起こったのか事態を飲み込めず、取り乱して卒倒してしまうかもしれません。

どうしよう。どうやって私がこの部屋にいることをまりあたんに伝えればいいのか。私が廊下に出ればいいのだとは思いますが、家主に「なんで廊下にいるの?」と聞かれたときに、なんと答えればいいのかまったくわからないので、私はおとなしくソファに座っているしか選択肢がないのです。

まりあたん、どうか倒れないで……と祈っていると、廊下から「パシャり」とカメラのシャッター音が聞こえてきました。ん? これはもしや! と思い、急いでドアを蹴破り外に出てみると、そこにはまりあたんの姿が! まりあたんは倒れるどころか、余裕で自撮りをしていました。強い。

事情を説明すると、まりあたんは力強く、たくましく「わかった。じゃあ、私はまた買い出しに行ってくるから、あとは頼んだ」と私に告げ、背を向けて歩き出しました。強い。

 私は再び家主の部屋に戻り、くつろいでいると、「リビングの掃除は終わったから入っていいよ〜」と声をかけられました。やったーーーーー! ようやく!!! るんるん気分で荷物を持って、部屋に入ってみると……広い! 前の宿よりも断然広い! しかも、きれい! 思わず、「ひゃっはーーー!」と声を出し、ジャンプをして天井を突き破りそうになりました。

家主は英語が話せるそうなので、残りの掃除が終わる間、英語で少し話をしました。その流れでWi-Fiのパスワードも聞いたのですが、それはスペイン語で言われて少し困惑しました。英語の流れだから英語で言ってくれると思ったんだもん!

そんなこんなで、Wi-Fiも無事つながり、家主の掃除も終わって、まりあたんも帰ってきて、これでここで生活する第一歩の準備が整いました。最後に家主に「Gift」と称されたチョコナッツをいただきました。まさかの出来事に私たちは驚き、感動し、涙が出てくるのを堪えることができませんでした。

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いろいろあったけど、今日はいい日だったね。終わりよければすべてよし。その後、チョコナッツは爆速ですべて食べました。本当にとてもおいしかったです。右上に貼ってあるシールは、「高カロリー」「飽和脂肪酸含有」「砂糖多用」という危ないことを示すシールですが、おいしいものは皆、危ない。しょうがないです。ちなみに、新居での初めての夕食はまりあたん作「UDON」でした。こちらもとてもおいしかったです。

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料理をする前にすべての食器を洗って一苦労したからこそ、UDONがさらにおいしく感じられました。まるで、フォアグラを食べているような極上のおいしさが私に舞い降りてきたのです。生きててよかった。それでは、アディオス!

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日本食材を求めてサンティアゴのパトロナートへ

Hola! 先日、中国や韓国系のお店が多くあるパトロナートへ行ってきました。目的は日本食材屋「白菊」へ行き、調味料(みりん)を買うことです。パロトナートには白菊の本店があるらしいとネットのうわさで聞いたので。

大量の服屋さん

パトロナートへは、住んでいる宿(今は別の宿にいます)から歩いて約45分ほどで着きました。最初はひと気のない道に入ってしまったようで、「本当にここに日本食材屋があるのか?!」と不安になりましたが、1本違う通りに入っていくと、とても栄えた場所に出ました。とにかく、服屋さんが多い! というか、服屋さんしかない(笑)。お目当の日本食材屋さんはこの通りにはなさそうです。

歩いても歩いても服屋さんばかり。食材を売っている通りだってどこかにあるはずだ〜。どこにあるんじゃ〜。ぶーたら言いながら歩いていると、おいしそうなフルーツ盛りに出会ったので迷わず購入。スイカが甘い! いちごよりも甘いスイカでした。おいしかった。

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ここが白菊?

その後も歩いて歩いて歩きまくったら、ついに、食材が売っている通りを発見しました。白菊がどのお店なのかわからないので、とりあえず、目に付いたお店に入ってみました。すると……日本食材が!! みそ! 納豆! 日本であまり見かけない納豆ですが、とりあえず日本食材を発見できたので一安心です。主に韓国系の商品が多いですが日本の食材もそれなりにあります。

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多くの日本食材を発見し、ここが白菊だとか、そうでないとかはもうどうでもよくなりました。まあ、みりんは売っていなかったのですけどね。でも、みりんが売っていなかったことすらも、もうどうでもよくなりました。だって、うどんとそばが売っていて、まりあたんが歓喜していたから! まりあたんの喜びは私の喜び。まりあたんの悲しみは私の悲しみ。まりあたんの怒りは私の怒り。ふっふぅ〜。

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韓国系の商品は日本のパクリなのか、それとも日本が韓国のパクリなのか、はたまた製造元は同じでパッケージだけその国向けに変えているのか……真偽のほどは私にはまったくわかりかねますが、「お! これは日本の◯◯っぽい!」と思うものが数多く売られていました。あれ? きのこの山じゃん! と思ってよく見てみると違ったり……。伸ばしかけた手をすぐさま引っ込めました。日本のお菓子が恋しいですね。

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このお店で、うどんやそば、みりん以外の調味料などを買い込み、るんるん気分になった二人(主にまりあたん)でした。ちなみに、パッケージに日本語とその他の言語が書かれていたそばの原材料を見てみたら「タピオカ」と書かれていて、日本のそばじゃないでしょ! とその時は思ったのですが、ネットで調べてみたらタピオカを使うそばもあるみたいですね。勉強になりました。

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SUSHIはチリでも人気

宿に戻る途中の道でこんな看板を見つけました。「SUSHi DELiVERY」。お寿司のデリバリーをしてくれるらしいです。コスタネラ・センター(巨大ショッピングセンター)でお寿司は食べたものの、このようなローカルなお店でも食べてみたいですね。サンティアゴには至る所にお寿司屋さんがある印象です。露店でも「SUSHI」と書かれて売られています。ここでは、お寿司はポピュラーな食べ物なのですかね。

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さらに、おいしそうなパン屋さんも発見したので、ここで小腹を満たすためのパンを購入することに。1つ500ペソ(約76円)という安さでこの大きさ! おいしさ! 大満足です。売ってくれたおじいちゃんありがとう! 街中のパン屋さんはこれより少しだけ割高なので、得をした気分です。るんるん気分です。さて、るんるんしたところで、アディオス!

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無知は罪。チリ・サンティアゴで宗教差別を体験?

今日はおいしいエンパナーダを求めてお散歩に出かけました。行ったことのない道をうろうろうろうろ……どこにもない。エンパナーダを売っている小さいお店はいくつかあるものの、どのお店も同じような感じで買うのをためらっていました。途中、おいしそうなタコスの露店はあったのですが、まだ買うには早いと思い、またうろうろうろうろ。

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いつもの道に戻ってきて、そこからまた行ったことのない道へと進みました。すると、身なりのしっかりした人が多い通りに出ました。チリの巨大国旗がある場所です。もしかして、ここは重要機関がある場所なのかなとふと思いました。ある建物の入り口に「MINISTRIO DE DEFENSA」と書いてあり、軍服のような制服を着た人たちが立っていました。そうか、ここはきっと防衛省なのか。少しだけテンションが上がり、写真をパシャりと2、3枚撮りました。

そのまま歩みを進めると、「CARABINEROS DE CHILE」(チリの国境?)「DIRECCION GENERAL」(軍事幹部?)と書いてある違う入り口に出くわし、そこでも制服を着た人たちが立っていました。愚かな私はここでも写真をパシャりと撮りました。すると、制服を着た人がこちらに歩いてくるではありませんか。な、なんだ……? と構えると、

「君たちはクリスチャンか?」(まりあたん通訳)

と聞いてきました。え? クリスチャン? 違うけど……。「違う」と答えると、「パスポートを見せろ」と言ってきました。私は持ってきていなかったので(家に置いてきていました)、代わりにまりあたんが自分のパスポートを見せ、私のパスポートは家にあるとスペイン語で伝えてくれました。

次に、「写真を消せ」と言ってきました。あぁ、どうやら私は撮ってはいけない場所で写真を撮ってしまったようです。私はすぐさまカメラを取り出し、彼の目の前で写真を消しました。まりあたんが「消しました」とスペイン語で言ってくれました。これで一件落着……と思いきや、まだ何か言っている。

「写真を消せ」

は? 今、消したじゃん? ここでまりあたんがもう一度、「写真は消した」と伝えます。私もカメラの画面を見せています。それなのに、ひたすら、「写真を消せ」と言ってきます。意味がわからない。すると、彼は、「君は英語が話せるか?」と聞いてきました。私はスペイン語より英語のほうが話せるので、「はい」と答えました。今度は、なんだかよくわからない英語で話しかけてきました。

「この建物でしょ? 写真消しましたよ?」

と英語で話しても、ひたすら「写真を消せ」と言ってくる彼。だから、消したって、英語でもスペイン語でも何度も言ってるでしょ!! 消したカメラの画面も見せているのに!! 意味がわからない。まりあたんがひたすら何度も、子供でも理解できるレベルのスペイン語で話していると、ようやく彼がカメラに目線を合わせて、「写真はどこだ?」と。だから、消したって。さっきから言っているでしょ。これは違う場所で撮った写真。ここの場所の写真はないでしょ? ここまできてようやく彼は理解したようで、私たちは解放されました。ちなみに、彼の目がひたすらすわっていたのが怖かったです。

私が勝手に写真を撮ってしまったのが悪いと理解はしていますが、彼の対応には不信感(?)を抱かざるを得ませんでした。スペイン語でも英語でも、何度も「写真は消した」と言ってカメラの画面も見せているのに、ひたすら「写真を消せ」と言ってきた彼。まりあたんのスペイン語はチリ人にちゃんと通じるスペイン語です。私も簡潔に英語を話したので通じないはずはないはず……。人の話を聞いていなかったのか(何度も言ったのに)あるいは、スペイン語にも英語にも疎い人だったのか。真偽のほどはわからないです。もしかしたら、私たちの伝え方が下手だった可能性も否めないですが、あれ以上どう簡潔に説明しろと……。

また、最初に「クリスチャンか?」と聞いてきたこと。この質問の意図は一体なんだったのでしょう。写真を消すこととクリスチャンであることは関係ないはずです。もし、私たちがクリスチャンだと言ったら彼の対応が変わっていたのでしょうか。それは宗教差別なのではないでしょうか。恐らく日本でいうところの公人である彼が、はなから宗教差別を連想させる質問をするとは驚きを隠せませんでした。私が勝手に写真を撮ってしまったからといって、宗教差別をしていいとはなりません。しかし、世界には彼のような人が少なからずいて、そのために心を痛めている人もいるのかなと思いました。

今回は私の軽率な行動が引き起こした出来事なので、自分の浅はかさをしっかり反省したいです。マナーを守りつつこれからも写真を撮っていきたいと思います。日本ではおそらく体験しないだろう出来事を体験して、世界ってそうだよね、こうだよね、と再認識しました。よりいっそう気を引き締めて、いろいろなことに気をつけながらこれからのチリ生活を送りたいと思います! アディオス〜!

あっ、エンパナーダは結局先日買ったお店で買いました。私は、露店でタコスを買うことにしたのですが、前の人がソースを選んでいて、ふむふむ、ソースを選ぶのね、どのソースがいいかなぁ〜早く私の番にならないかな〜と思っていたら、本当は前の人は違う物を頼んでいて、「それじゃないよ!」ってお店の人たちがやりとりをし始めました。

あらら、間違えたのね、どんまい。間違えて作ったタコスはどうするのかなと思っていたら、なんと私に渡してきたではないですか!!!! え? これ、前の人が選んだソースで作ったタコスだよね? なに? 明らかに間違えた注文のタコスを私に渡すって? え? 私がスペイン語話せないことをいいことに、ごまかそうとしているよね? え? え???? 受け取ったけどね。だってスペイン語話せないんだもん!!!!!!!! くそーーーーーーーーーーーーーーー!!! おまえら見てろよ!!!!! 次は流ちょうなスペイン語で買ってやるからな!!!!! くぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!! アディオス!

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チリ独立記念日に開催されるフォンダに行ってきたよ Part 2

Hola! 前回はチリの独立記念日付近に開催されるフォンダ(お祭り)に参加したリポートをお届けしました。主に食事がメインの記事でしたが、今回はそれ以外に体験したことを書き連ねていきたいと思います(食事のこともちょこっと触れます)。

電車よりも速い車?!

18日は電車で約20分かけて会場まで行きました。窓から外を眺めると道路を車が走っています。あぁ、みんな速いなぁ……電車をどんどん追い越していくよ〜……って、電車を追い越していく車やバイク????? え??? どんだけ速度出してるの??? かわいい我が目を疑うほどびっくりしました。

チリに来て、自分はここでは運転できないなと思うほど車やバイク、バスなどが猛スピードで走っている光景を目の当たりにしました。それでも、電車よりも早く走っているだなんて思いもしませんでした。電車がゆっくり走っていた可能性もありますが、そこまで遅くなかったはず……。チリに渡航予定の皆さま、歩道を歩く時や、運転をする時はお気をつけください。ここではクラクションが鳴る頻度も桁違いです。少しスピードを緩めただけで、けたたましいクラクションの音が鳴り響きます。

また、歩行者は赤信号を守りません。車が来なくなると赤信号でもすぐに渡ります。日本だと車が来なくても赤信号は守りますが、チリに来たら赤信号でも渡るようになってしまいました。慣れって怖いですね。

VR体験ゾーン?

車の速度に驚きつつ会場入りをし歩いていると、飲食関係の出店から少し離れた場所になにやら近未来的な機械が設置されているのを発見しました。17日に行った時は時間が早かったためか(それでも夕方に差し掛かろうとしていたと思いますが)、まだその機械は稼働しておらず、18日の夕方過ぎに人だかりができているのを発見しました。

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青年が機械の中に座わり、VR(仮想現実)らしきヘッドセットを装着し、何かを体験しています。何を体験していたのか、これは本当にVRなのか、真偽のほどは不明ですが、私も体験してみたかった……。多くの人が並んでいたので泣く泣く諦めました。

「TERREMOTO〜! TRREMOTO〜!」

ただ歩いているだけなのに、至る所から聞こえてくる「TERREMOTO(テレモト)〜! TRREMOTO〜!」の声。「TERREMOTO」とは一体なんなのか、電子辞書で調べてみると「地震」と出てきました。地震……あぁ、きっとお酒だなと勝手に解釈しました。道行く人が皆、手に淡い赤色の飲み物を持っている。

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多分、これが「TERREMOTO」なのだろう(違っていたらすみません)。お酒かぁ〜あんまり飲めないけど、みんな持っているから、どんな味なのか一口くらいは飲みたくなってきた……誰か一口くれないかな……と羨望の眼差しで人々を見ていたのですが、誰もその視線に気がつくことはなく、悲しい時間が流れました。

こんな時は自分で買えばいいのだ! そうだ! ただで何かが手に入ると思ったら大違い!

人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない
何かを得るためには、それと同等の代価が必要になる
それが、錬金術における等価交換の原則だ
その頃僕らは、それが世界の真実だと信じていた

 (『鋼の錬金術師』より引用)

そう、私たちもそれが世界の真実だと信じていました。だから、「TERREMOTO」を買うための列に並びました。「TERREMOTO」は大人気で列が二つに分かれています。右か左、どちらに並ぼうか。恐らくこれが私たちの生死を分ける選択肢になる気がして、1時間くらい悩みに悩み抜きました。

その結果、右に並ぶことにしました。これは大きな決断です。自分たちで悩み、試行錯誤し、選び抜いた「右」。これできっと、すぐに「TERREMOTO」にありつけるはず。1000秒くらいですぐにありつけるはず……。1、2、3、……998、999、1000秒! キターーーーーーー! 前に並んでいた人も私たちを祝福するために後ろを振り向いて、声をかけてきました。

「左の列でお会計をしてこの紙をここで渡すんだよ」

え? 左の列でお会計……? えええええええええええ! そんなの聞いていない……。じゃあ、こっちの列は左に並んでお会計を済ませた人たちが並んでいたってこと? 私たちはお会計を済ませていないから、左の列に並び直さなければいけないってこと? いやーーーーーーーーーーー! 等価交換の原則にのっとって1000秒、1000秒も待ったのに、また1000秒も待たないのといけないの?

無理無理! バイバイ、「TERREMOTO」! おまえにはもう愛想を尽かしたよ! 私たちは潔いんだよ。おまえなんて飲まずにこの列を離れて、異国の地へ旅立つよ! アディオス! ということで、「TERREMOTO」を飲むことを断念した私たちでした。めでたし、めでたし。

その出店以外でもお会計と品物の受け渡しゾーンが分かれているところがほとんどで、出店で分業が進んでいるとは、さすが南米の先進国・チリ。よい勉強になりました。

無料のSIMカード

あまり人でごった返していない場所に、美人でナースっぽいコスプレをしたお姉さんがいる出店(企業ブース?)がありました。日が暮れる前はお姉さんが眩しくて近づくことができなかったのですが、日が暮れて帰ろうとした頃にはお姉さんの姿がなくなっていて、代わりにやる気のなさそうなお兄さんが立っていたので、じーーーーーっと見つめてみたら、何かをくれるジェスチャーをしてきました。

近づいて受け取ってみると、SIMカード?! なんとSIMカードを無料で配っていました! SIMカードが無料ってすごいですね。使用制限があるのものの(20MBで10分まで)、チリでSIMカードを買っていない私たちにとってはとてもありがたいものです。外でなにか緊急事態が発生した時に、このSIMを使わせていただこうと、大事に取っておくことにしました。ありがたや〜。

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チリ人はがめつい?

道行く人を観察してみると、手にタコみたいなものを持っている人が多い。そして、なにかビニールシートみたいなものも持っている人が多い。しかも、それらを大量に持っている人が多数。もしかして、どこかで配っているものなのだろうか。辺りを見渡してみると……あっ、あそこで配っている人を発見! でも、子供に渡している。私たちも欲しいのだけれどもくれるのかな……。

不安に思いつつも近づいていくと、お兄さんは気前よくタコをくれました! 決して私たちが子供に見えたわけではないでしょう。だって、その後、誰彼構わず大人にも配っていたのですから! というか、この無料で配っているタコを大量に持っている人がいるってすごいですね……。タコ揚げ以外に使い道はなさそうなのに、10枚とか束で持っていました。

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その後、ビーニールシートだと思っていたものはエプロンだとわかり(出店の中の人がそのエプロンをしていた)、今度はエプロンゲットのために三千里を歩きました。すると、人だかりができている場所を発見しました。その中心には袋を持ってエプロンを配っているきれいなお姉さんが!

まりあたんがその人だかりの中へ頑張って入っていきました。私は見守る係です。だって、チリ人の勢いが凄まじいんだもの。皆、我先にとエプロンをもらおうときれいなお姉さんを目がけて突っ込んでいくんだもん。か弱い私は飛ばされちゃう。無理無理。

数分後、無事に人だかりの中から生還したまりあたん。よくやりました。エプロン2つゲットだぜ!

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お姉さんが持っている袋の中身をすべて配り終わると、すぐさまテントの中から補充して、人に囲まれ、中身がなくなり、補充して、人に囲まれ、中身がなくなり……を延々と繰り返していました。もしかして、チリ人は「無料」という言葉に弱いのでしょうか。

明らかに必要以上の数をもらっていった人が多かったです。あるいは、とても有名な企業のエプロンだったのか……。謎のままにしておきましょう。謎は謎のままで、解かないほうがいい謎もあります。世の中、そういうものです。

時すでに遅し

戦場で戦い帰還したまりあたんは、どうやらおなかが空いたようです。しかし、会場で売っているアンティクーチョ(お肉の串刺し)は大きすぎ(画像参照。昨日食べたアンティクーチョです)で、他の食べ物も量がたくさん(画像参照。こちらも昨日食べたポテトフライとウィンナーです)。会場の外にある出店はこれよりも量が少なかったので、外に出てから買おうと決めました。会場をうろうろし終え、午後8時に差し掛かろうとする頃に外へと出て、出店へ向かうと……。

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ない!!! 出店が跡形もなくなくなっている!!!

出店が撤退する時間が想像以上に早かったため、食事にありつけなかった私たち……。会場で食べ物は食べたものの、アンティクーチョやエンパナーダが今日は食べられませんでした。残念。きっと、二人の日頃の行いがよくなかったのでしょう。これからは毎朝、起きたら天に祈る時間を設けたいと思います。すべての人に平和が訪れますように、心の平穏を。by まりたんめぐたん

最後に、買った食べ物の値段を書いておきます。その食べ物について書いたときに書いたほうがわかりやすいのに! と思っているそこのあなた。そうです、その通りです。でも、書き忘れたのだからしょうがない。以下にまとめて書きますよ〜。


チョコ(キャラメル)チュロス 1000ペソ
バナナチョコ(激ウマ) 1000ペソ
アンティクーチョ(「ここのアンティクーチョが一番安いんだよ! 他のはバカみたいに高いんだよ!」〈まりあたん訳〉とおじさんが教えてくれたお店のアンティクーチョ) 2500ペソ
パイナップルアイス 4000ペソ
オレンジジュース(100パーセントジュースかと思ったら、水は入れる、砂糖はどかどか入れる、仕上げとして氷まで入れる、で微妙な味に仕上がりました) 1500ペソ
計1万ペソ(約1500円)

これだけ食べて2日間で約1500円分で収まる飲食代。安いですね! めいいっぱい楽しんだ2日間でした〜。あーあ、楽しかった! アディオス!

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チリ独立記念日に開催されるフォンダに行ってきたよ Part 1

Hola! 17、18日とフォンダ(ラマダ)に行ってきました! フォンダとはチリの独立記念日である18日付近に開催されるお祭りです。独立記念日に開催されるフォンダはチリで一番の盛り上がりを見せるようです。フォンダは1カ所だけでなく、チリのさまざまな地域で開催されます。私の友達は普段はサンティアゴにいるのですが、数日前から地元に帰り、そこでフォンダに参加するらしいです。チリ全土を挙げてのお祭りとは一体どのようなものなのでしょうか。今回は、フォンダ初参加リポートをお届けしたいと思います。

Parque O`higginsに、いざ出陣

私たちが住んでいるところはサンティアゴで大人気のフォンダが開催されるParque O`higgins(O`higgins公園)に近いと友達に教えてもらったので、17、18日はそこへ行くことにしました。他にも、Parque Araucano(Araucano公園)はそこよりもきれいかも! と教えてもらいましたが、Parque O`higginsよりは少しだけ遠く、さらに私の体調があまり優れなかったことも考慮して近場に決めました。

17日は徒歩で約45分かけ、18日は電車で約20分かけて行きました。Parque O`higginsまで徒歩で行く道のりはひたすらまっすぐ行って途中で曲がってひたすらまっすぐ行けばいいので、特に道には迷わなかったのでよかったです。Parque O`higginsに近づくにつれ、道に出店が増え、店主が大声で何か叫んでいます(おそらく、「肉〜肉〜! おいしいよ〜! 安いよ〜!」とかでしょう)。確かに、おいしそう……一つ買おうかな、じゅるり……おっといけない、ここで食べ物を買ったら会場で食べられなくなる! 我慢、我慢。

ちなみに、まりあたんはゼニガメの帽子を買っていました。嬉しそうですね。

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肉、肉、肉、肉、肉

自分の食欲に打ち勝ち出店をすり抜けると、ようやく門らしきものが見えてきました。門のサイドに灰色の小さなプレハブみたいなものがあり、まりあたんが「トイレ?」と声を発したので「あぁ、トイレか!」と納得したのですが、よく見たら入場チケットを売っている人が居る場所でした。二人ともおっちょこちょいでかわいいですね。

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入場料は1人3000ペソ(約450円)です。チケットを買い、警備員にカバンの中をチェックされたのちに、会場の中へと歩みを進めます。中にはいろいろな出店があります。飲食物はもちろん、今回のフォンダのTシャツや、お菓子、子供の遊び道具まで売っています。もう、なんでもありですね! だって、国を挙げてのお祭りだもの!

会場の中心部へ行くにつれて、食事系の出店が多くなってきます。肉、肉、肉、肉、肉が多い!! しかも、大きい! これを一人で食べるの? と思わず二度見、三度見、四度見するサイズです。串に刺してあるお肉のことはアンティクーチョと呼ぶらしいです。どこもかしこも、アンティクーチョばかりで、いかにチリ人がお肉好きかわかりますね。(以下、お肉の写真が続きます。空腹の人はこれを見ておなかを満たしてください)

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お肉の他にも、エンパナーダ(パン生地で具材を包んだもの)やポテトや、カロリーが高そうなポテトとお肉の組み合わせのプレートなどがありました。チリ人大好きな甘いものももちろんあります。

チョコチュロス(?)にパイナップルアイス

歩いていたらチョコ入りチュロスチュロスの中心部を空洞にさせてそこにソースを入れる)の出店を見かけ、すぐさま猛ダッシュ。時速100キロくらいは出ていたはずです。るんるん気分で列に並び、途中で暇を持て余し、動画を撮っていたらチュロスを作っていたおじさんがピースをしてくれ、さらにるんるん気分になったところでようやく、チュロスにありつけました。やったー! チョコチュロス! まりあたんがまず一口食べます。

まりあたん、無言です。

あれ? 「おいしい!」の一言がないぞ。それどころか、変な顔をしているぞ。どうしたんだろうと不安に思いながら、私も一口食べてみると……なんとチョコではなくて、キャラメル味チュロスでした! 厳密に言うと、チョコとキャラメルが1対4くらいで混ざったようなソースです。

そういえば先日、チリ人の友達が「このキャラメルのようなソースが好きなの〜! よく食べるの!」と言っていたことを思い出しました。チリ人は好きなのね、こういうの……。決してまずくはなかったです。本当です。でも、チョコのほうがもっとおいしいのに……と思う心は止められませんでした。くっ。

さて、気を取り直して今度はおいしいパイナップルアイスをご紹介します。こちらは、パイナップルを器としてそこにアイスがドカドカと入っている、まさに正真正銘のパイナップルアイスです。

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このアイスはトルコ風アイスっぽくて想像以上においしかったです。さらにアイスの下にはおいしいパイナップルも入っていて、満足度の高い一品となっています。量は言うまでもなく多いのですが、周りを見渡してみると、皆、この量を一人で食べています。恐るべし、チリ人の食欲。

このパイナップルアイスではチョコソースにありつけたのですが、ソースのかけ方が雑! ソースの容器をひと押しして、べちっと出して、それで終わりです。しかも、カウンターの中でカップルらしき男女がいちゃついていたので(キスをしていた)、心の中で、必ず幸せになる呪いをかけておきました。くっ。

カメラマン・めぐみん

今回のお祭りでは一眼レフで写真を撮りまくりました。近場の人混みから、ステージ上で演奏しているチリの音楽グループまでばっちり撮れました。さすが、一眼レフ(望遠レンズ装備)。

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カメラを持ってうろうろしていると陽気なおじさんがポーズをしてきたので、パシャりと撮って、親指を立てて「ぐ〜〜!」の合図を送りました。おじさんらも「ぐ〜〜!」と返してくれて、会話はないけど心がつながった瞬間でした。ノリのよい人たちで楽しいですね。

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途中、二人でただ歩いていただけなのに、「一緒に写真撮ってもいい?」とお母さんとお父さんと息子から構成される家族に声をかけられる事案が発生しました。まずお母さんを真ん中にして一緒に写真を撮り、次に息子を真ん中にして写真を撮り……これは一体なんだったのだろう……。日本人が珍しかったのかな。

さらに、ブラジルから来たおじさん(お兄さん?)にもいきなり声をかけられました。「君たちはポケモンのスタッフなの?」と。なんじゃそりゃ! まりあたんがゼニガメの帽子をかぶって、バッグにもチリで買ったポケモンの缶バッチをつけているからなのか……? 質問の意味がよくわかりませんでしたが、「違いますよ〜。日本から来たただの人ですよ〜。凡人ですよ〜」と答えました。そのまま別れるのは名残惜しかったので、まりあたんとの写真を撮ってあげました。すごい笑顔ですね。

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まりあたんは、さらにいろいろな人から声をかけられ、それを見ていたおばさんから「あなたは有名人なの?」と聞かれる事案が発生。もう嫉妬しか覚えませんね!!!!ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ。

なぜ、めぐたんは人気者になれないのか、ここからどばーーーーと10万字くらいの分析リポートを載せたいのですが、それはまたの機会にとっておきましょう。次回、「チリ独立記念日に開催されるフォンダに行ってきたよ Part 2」に続く!